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オンライン化によって再認識した結婚式の本質とは?ノバレーゼが考える、これからの結婚式【 #ミライケッコンシキ Vol.1】

新型コロナウイルス感染拡大により、世の中が大きく変わろうとしています。個人の価値観が変化し、それに伴ってさまざまなサービスがアップデートされるなか、これからウエディング業界にも変化が生まれていくことは想像に難くありません。

では、未来の結婚式はどうなっていくのでしょうか。今回新たに始めたシリーズ「#ミライケッコンシキ」では、「ミライの結婚式のために、イマ私たちができること」をテーマに、ウエディング業界に携わる方々にオンラインで取材していきます。ミライの結婚式、一緒に考えてみませんか?

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今回取材したのは、全国で32の結婚式場を運営する株式会社ノバレーゼの新たな取り組みです。新型コロナウイルスの影響で結婚式を延期する方を対象に引菓子を買取したり、テレビ会議システム「Zoom」で式場見学を可能にしたりと素早く対応を打ち出し、結婚式に関する明るいニュースを提供してきました。

ノバレーゼでは刻々と変化する状況に合わせて、どのようなフェアを打ち出すのか、そのフェアの実現に向けてどう対応するのか、更新が求められる日々だと言います。これらの広告宣伝や商品開発を担当しているのが、営業戦略ディビジョンの責任者である諏訪真紀子さんです。

今回は諏訪さんに、ノバレーゼがチャレンジしている取り組み、社内への発信、そして「ノバレーゼの結婚式」が大切にしている価値観についてうかがいました。

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■ プロフィール
株式会社ノバレーゼ

2000年に創立されたブライダル事業会社。総合結婚式場、都市型・郊外型のゲストハウス、ドレスショップ、レストランなどを全国各地で運営。2014年度新卒就職人気企業ランキングで、「経営者・ビジョンに共感」の分野で1位を獲得。

諏訪真紀子(すわ まきこ)

2011年に株式会社ノバレーゼに中途入社。入社後に結婚準備をオンラインで行うシステム「WEDO」の開発に携わり、2013年4月には2012年度年間MVP本社スタッフ部門を受賞。2015年には自ら立ち上げたマーケティングティビジョンのディビジョンマネージャーに就任。2016年より営業戦略ディビジョンのディビジョンマネージャーとしてマーケティング、広告宣伝、商品開発、プランの策定など幅広く手がける。2019年12月よりリゾートディビジョンのディビジョンマネージャーを兼務。
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オンラインツールで、自宅にいながら「式場見学」を可能に

NOVARESE_1.jpgジェームス邸

── ノバレーゼでは新型コロナウイルスの影響による外出自粛に伴い、式場見学にオンラインツールを導入したと発表されていましたね。

はい。緊急事態宣言の状況に合わせて、プランナーが式場に勤務している場合と自宅で勤務している場合がありますが、どちらにしてもお客様にはご自宅からオンラインでご見学いただける仕組みを整えました。ツールとしては「Zoom」をメインに、お客様のご希望に合わせて「Skype」や「Facetime」も活用しています。

プランナーが式場にいられる場合は、一人のプランナーがiPadを持ってお客様の目線で見学ルートを歩き、もう一人がご案内をする二人体制です。結婚式当日に新郎新婦様が入場される大階段を下りたり、オープンキッチンのパフォーマンスをお見せしたりする人気の演出を、オンラインでも楽しんでいただいています。

自宅で勤務しているプランナーが応対する場合は、プランナーの自宅からオンラインツールにつなぎ、お客様に合わせて写真や動画をお見せしながら会場のご説明をしていました。オンラインでの式場見学は初めての実施でしたが、今後もお客様に気軽にご見学いただける選択肢としてさらに整えていきたいです。

── 実際にオンラインで見学されたお客様からは、どのような声があがっているのでしょうか。

ご好評いただいています。ご自宅にいながら見学できるので、リラックスできるとおっしゃる方が多いです。小さいお子様がいらしても安心してご見学いただけるのは、オンラインならではのメリットだと感じています。

あとはプランナーに聞いてみると、4・5月に予定していた両家の顔合わせや引っ越しがストップしてしまい、不安を感じているお客様が多いようなんです。そのような時期にオンラインで式場見学ができると、一歩でも結婚に向けた準備を進められますし、プランナーと話して前向きになれるとご感想をいただいています。

新郎新婦様にとって結婚に関わるイベントは初めて尽くしですから、それらがうまく進まないプレッシャーやストレスを強く感じている方々も多いのではないでしょうか。このオンラインツールの導入によって、気軽に専門家であるプランナーとの接点を持つきっかけになったら嬉しいです。NOVARESE_2.jpg

オンラインツールの導入が、若手スタッフの活躍に

── 式場見学のオンライン化において、何か困ったことはありましたか?

ほとんど実際のご見学と変わらずにご案内できているようです。当社における要因としては2点挙げられます。1つは、ノバレーゼの式場見学が1時間半から長くて2時間で、オンラインに移行しやすい長さだった点。もう1つは、2012年からお打ち合わせでのオンライン化が既に進んでいた点です。

ノバレーゼではプランナーがお客様とお話しするときに、一方的な説明に時間を充てないようにしています。お客様のことを教えていただき、プランニングに関わるお打ち合わせを進める。商品説明には時間を使いすぎない。式場を決める上でプランナーと話してみたい需要が多いので、お客様に気軽にご見学いただけるよう時間を短く設定しているんです。

説明しきれないところは、当社で開発した結婚準備支援サイト「WEDO(ウィードゥー)」を活用しています。結婚式をお申し込みいただいたお客様専用のサポートサービスで、2010年前後から構想を始め、2012年から導入しました。NOVARESE_3.png


ノバレーゼが運営する「WEDO」。「WE DO」とは「誓います」の意味

── どんな理由でWEDOの開発に至ったのでしょうか?

式場をお申し込みいただいてから準備のお打ち合わせが始まるまでに、数ヶ月程度のブランクがあります。その期間に何をすればいいのか不安だ、とお客様からお声があったのがきっかけです。

それならお客様がご自宅でも結婚式のイメージを膨らませられるように、そして大変なイメージのある結婚式準備をサポートできるように、アイデア選びから席次表の作成、進行表の共有などをオンライン化しようと考えて、WEDOの開発に至りました。

── 今でもアナログな部分も多い結婚式準備にデジタルツールを導入するにあたって、大変なことはありましたか?

開発の前後どちらも大変でしたが、これまでのやり方を整理してデジタルを取り入れたことは、当社にとっていい機会になったと思います。

WEDOの開発段階では、これまでプランナー個々人に委ねていた現場での工夫を吸い上げ、お打ち合わせの見直しと統一を図りました。何回目のお打ち合わせで何をお話しするのか、プランナーによって差異があったので、ベストな進め方の再検討を進めたんです。これにより、オンライン化できることと対面でお話しすべきことを分類でき、お打ち合わせの時間を短縮できました。

WEDOが完成してからは、やはりアナログが主流の現場にデジタルツールを持ち込むのが難しかったです。デジタルに強い若手スタッフが各拠点にいて導入に前向きになってくれたので、拠点での発信をお願いしました。時間はかかりましたが、少しずつWEDOを使いこなせる人を増やせましたし、若いスタッフの活躍する場にもなったと思います。NOVARESE_4.jpeg

人を喜ばせることの価値を、スタッフが信じていられるように

── ノバレーゼではお客様向けだけでなく、子どものいる従業員に有給の特別休暇を付与するなど、社内向けにも手厚いサポートを発表していますね。

ノバレーゼの一番の強みは人であり、すべては人が生み出すと考えています。代表取締役社長である荻野洋基はスタッフを守りたい気持ちが強いので、役員から人事部に制度のオーダーが入るケースも多いんです。

今回の新型コロナウイルスに関する社内での取り組みでいえば、休業期間中でも正社員や一部のスタッフには変わらずお給料をお支払いしていますし、金銭面だけでなくモチベーションのケアも重視しています。最近だと社長自らの旗振りで、「元気プロジェクト」が動いていました。

── どのようなプロジェクトなのでしょうか?

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動画「元気プロジェクト」

10分程度の動画で、社長を含めた役員、部門長全員からのメッセージと、全国各地のスタッフが歌って踊る『We Are The World』を全ノバレーゼグループスタッフに届けるプロジェクトです。歌が上手な人、演奏ができる人だけでなく、お笑い方面でキャラクターが立っている人にも活躍してもらいました。

自分がお客様に何かしたいと思って仕事を選ぶ人が多いサービス業界では、働く人が自己犠牲の気持ちを持つ傾向があるように感じます。今回の新型コロナウイルスの影響でも、お客様に何もできない無力感や今後への不安を感じているスタッフが多いのではないでしょうか。

でもノバレーゼが一貫して大切にしてきたのは、お客様にお届けする幸せを生み出すために、まずは自分たちが幸せになること。社長が今こそこのメッセージを伝えたかったそうで、スタッフからは「こういう状況でも人を元気にしようとしている仲間がいて誇らしい」「元気そうな顔を見られて安心した」と好評でした。

結婚式の本質は、これからも変わらない

── 新型コロナウイルスの影響で、人の集まる場がこれから変容を迫られていくかもしれません。結婚式はどう変化していくと思いますか?

私個人としては、結婚式の形が変わろうと、コアは変わらないと思います。太古の昔から古今東西、二人が結婚するときにお祝いする文化が受け継がれてきました。自分たちに関わってきた人たちが一同に集い、「自分はこの人たちに支えられてきたのだ」と感じられる。これは結婚式の大きな価値ではないでしょうか。

ですからノバレーゼはこれまでもこれからも変わらずに、参列される方全員に楽しんでいただけて、二人の門出をみんなで祝える結婚式を目指していきます。そのためには自分たちが楽しみながら、お客様に幸せをお届けできる結婚式の意味を誰よりも自分たちで信じていきたいです。

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(取材・文:菊池百合子 / 写真:土田凌 / 企画編集:ウエディングパーク

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