“想い”を伝えることを諦めないでほしいから。エスクリが取り組む、リアル×オンラインの結婚式【#ミライケッコンシキ2021 Vol.7】

“想い”を伝えることを諦めないでほしいから。エスクリが取り組む、リアル×オンラインの結婚式【#ミライケッコンシキ2021 Vol.7】

新型コロナウイルス流行をきっかけに、世の中は大きく変わりつつあります。ウエディング業界にも、今後ますます変化が生まれていくことは想像に難くありません。

2020年からスタートしたシリーズ「#ミライケッコンシキ」では、「ミライの結婚式のために、イマ私たちができること」をテーマに、ウエディング業界に携わる方々に取材を重ねてきました。

継続的な取材を通して、2020年と2021年では業界の雰囲気が少し変わってきたと感じます。明日を暗中模索する段階を経て、未来へと力強く歩み始めたような印象を受けるようになりました。

結婚式はこれからどうなっていくのか。まだまだ先行きが読みにくい今だからこそ、ミライの結婚式について、一緒に考えてみませんか?

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コロナ禍でも“結婚式を諦めない選択肢”として新たに誕生した、オンライン結婚式。感染リスクを下げるのはもちろん、遠方の友人や高齢の親戚、妊婦さんも参加しやすくなるなど、さまざまなメリットから、カップル、ゲストともに支持され始めています。

株式会社エスクリは、業界でも先んじてオンライン結婚式の充実に取り組んだ会社の一つ。2020年12月に結婚式のライブ配信サービスを展開し、翌年11月にはアフターコロナのウエディングに新しい価値を提供すべく、リアル×オンラインがlinkする新しい結婚式のかたち「Dimensional -link- Wedding」を発表。

キャッシュレスでのご祝儀の受け渡しや、オンライン参列者への料理や飲み物のおもてなしが可能になるなど、次世代の結婚式のありかたを推進しています。

本サービスの開発にはどんな背景があり、どんな思いが込められているのか? エスクリで新商品の企画・開発にかかわる石原さんにお話をうかがいました。


株式会社エスクリ 石原 亜季
ウエディングプランナー歴13年。2009年より株式会社エスクリに入社。
現在は本社にて営業企画を担当。


オンラインの活用で、コロナ禍でも満足のいく結婚式を

ーーコロナ禍の影響から、ウエディング業界や結婚式をあげたいカップルを取り巻く環境が大きく変化したと思います。石原さんはこの変化をどのように感じておられますか?

「結婚式に招待したいのに呼べない」、「参加したいのに行けない」。そうした声が増えるにつれ、式の規模は小さくなり、集まる人の数も減少していったように感じます。何度も日程を延期し、泣く泣く結婚式を取り止めるなど、悲しい思いをされた新郎新婦様もたくさんいらっしゃいました。

同時にオンラインの普及がさらに加速し、ビジネスや暮らしでの活用が進むなか、エスクリ社としても「結婚式にオンラインをどう取り入れ、活かすか?」を強く意識するようになりましたね。

ーー結果、どのようなアプローチをしたのでしょう?

自社開発の結婚式準備サイト「アニクリ」に新たな機能を追加する形で、2020年12月に結婚式専用のライブ配信サービス「アニクリLive配信 -Share Anniversary-」を、翌年3月にはWeb上でご祝儀をお渡しできる「アニクリWEBご祝儀」を展開しました。従来の結婚式はアナログな部分も多かったので、最初は上手く機能するか不安でした。本当にお客様に喜んでいただけるだろうかと。

実際は、想像以上に満足していただけたんです。ライブ配信を視聴したゲスト様からは「コロナ禍で結婚式に行けず、新郎新婦に欠席の連絡をすることが心苦しかった。だから、ライブ配信で結婚式を見られて本当に嬉しい。涙が止まらない」とコメントが寄せられたこともありました。

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ーーリアルに参列する体験に引けを取らないくらい、満足度も高いのですね。

顧客満足度のアンケートを見ると、新郎新婦様の満足度も非常に高いんです。「ここまで喜んでもらえるとは思わなかった」「迷ったけれど、結婚式をあげて本当によかった」と。こんなに満足していただけるなら、もっとその後押しがしたい。そうした思いから、コロナ禍にあってもひと組でも多くの新郎新婦様、ひとりでも多くのゲスト様に結婚式に触れていただけるよう、サービスの拡充に乗り出しました。

オンライン活用の集大成として誕生したのが、リアル参列×オンライン参列が共存し 今までの次元を超えてLINKする世界観を実現する「Dimensional -link- Wedding」です。

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“オンライン参列”の選択肢が拓く、未来の結婚式とは

ーー「Dimensional -link- Wedding」とは、どんなサービスなのですか?

「変わりゆく世界で、変わらない“想い”をつなぐ」をコンセプトに、Web上でのご出欠返信やゲスト様の管理、ご祝儀の受け渡し、結婚式のライブ配信、オンライン参列のゲスト様へのお料理やお飲み物のおもてなしまで一貫して支援するサービスです。

ーー大部分がデジタル化することで、新郎新婦、ゲストともに結婚式への準備負担が大幅に減りそうですね。

ご招待状自体は結婚式のマナーを重んじて紙でお送りするのですが、そこに記載されている二次元コードを読み取ることでご出欠の回答からご祝儀のお渡し、ライブ配信の視聴まで可能です。登録方法も必要最低限の情報を入力するのみ。視聴方法もシンプルな設計を心がけたので、世代を問わずスムーズに対応していただけるかと思います。

あとは、オンライン参列であってもリアルに参列された方と同じようにおもてなしできるのも、大きな魅力のひとつです。事前に新郎新婦様からお重や洋風のオードブルセット、スパークリングワインなどのお酒類も用意しており、アルコールが苦手な方にはスイーツとコーヒーのセットも準備して、臨場感あふれるライブ配信とお料理お飲み物のおもてなしに、まるで本当に結婚式に参列しているような体験をご提供できます。

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ーーオンライン参列は、リアルよりも参加のハードルやコストが低いところが魅力のひとつかと思います。その分、コロナ禍以前よりも多くのゲストに参列してもらえそうですよね。

まさに、そう期待しています。コロナ禍で人との関係性の希薄化が心配されるなか、オンライン参列の選択肢を用意することで、逆に世界は広がるかもしれない。ご懐妊中の友人や、ご病気で療養中の親族の方、年賀状のやり取りだけになってしまった恩師……コロナ禍以前も、何らかの理由で結婚式に招待できずにいた方や関係性により招待をしなかった方がいて、それと対等に招待はされなかったけど本当はお祝いを伝えたかったゲスト様も大勢いらっしゃると思うんです。

オンライン参列の選択肢があれば、コロナ禍だけでなく、それ以降もより多くのかたに結婚式に触れてもらえ、新郎新婦様、ゲスト様、双方の想いをつなげられる。結婚式を介さなければいずれ疎遠になってしまったかもしれない縁も、未来にまで紡いでいける。そうした可能性を信じながら、日々サービスの拡充に取り組んでいます。

いつの時代も、結婚式で伝えたい“想い”は変わらないはず

ーーここまでのお話から、エスクリ社が結婚式を通じて育まれる“想い”や“絆”を何より大切にされているような印象を受けました。

商品企画に携わる前、10年以上プランナーとしてさまざまな結婚式に触れてきた私自身、結婚式の魅力はそこにあるような気がしているんです。普段は恥ずかしくて伝えられない両親への感謝の言葉、何年も疎遠だった兄弟との復縁、何度も打ち合わせを重ねた担当プランナーとの絆。どれも結婚式ならではの良さだと思います。

厳しいコロナ禍だからこそ、以前にも増して結婚式への思いや、その場に集った人たちとの関係性も強まっているのではないでしょうか。

ーーコロナ禍ゆえに、改めて結婚式の価値が浮き彫りになった側面もありそうですね。

そもそも、新郎新婦様の人生に関わった大切な人たちが一堂に会し、同じ空間や時間をともにすることは滅多にありません。そこで育まれた想いや絆は、きっと新郎新婦様の未来を豊かにしてくれるはずです。

そんな風に結婚式の価値を再確認している今、やっぱり、ひと組でも多くの新郎新婦様に結婚式をあげてほしいと思うんです。カップルやウエディング業界を取り巻く環境の変化に合わせて、これからの結婚式に対するニーズも変化していくでしょう。ただ、結婚式で伝えたい想いは変わらないはずです。そして、その想いを伝えたい方にちゃんと伝えられる形をつくることが、我々の使命だと心得ています。だからどうかこれからも、想いを伝えることを諦めないでほしいです。

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