Wedding-UP DAY
2023.11.14
新サービス開発や組織づくりのリーダーに挑むU30パーソンの挑戦|Wedding-UP DAY 2023
2023年9月12日に開催した、ハイブリッド型のビジネスカンファレンス「Wedding-UP DAY 2023」。Wedding-UP DAYは、企業の枠を超えて人々が集い、これからのウエディングビジネスを共に考え、未来へのアクションを起こすきっかけを生み出すビジネスカンファレンスです。第2回となる今回は「あなたが仕事上でもっとも挑戦した“My Best Challenge”」を登壇テーマに、ウエディング業界内外で活躍するU30の挑戦パーソンたちが集合。リアル・オンライン合わせて385名の参加者が見守る中、自身最大の挑戦エピソードをプレゼンテーションしていただきました。
登壇者の集合写真(オンライン登壇+途中退席された2名が不在)。当日の会場では、登壇者それぞれの「名前入りうちわ」などで参加者の応援が行われました
発表時間は5分、投影資料は最大3枚。“説明”ではなく、ご自身の経験を生のことばで“伝える”形式で行われた全17名のプレゼンテーション。この記事では、株式会社YOUTRUSTと株式会社ウエディングパークから登壇した3名の挑戦エピソードをご紹介します。
■登壇者プロフィール
株式会社YOUTRUST プロダクトマーケティングマネージャー 吉野 樹氏
株式会社ウエディングパーク +Creation本部 マネージャー 兼 カルチャー推進室 松尾 美緒
株式会社ウエディングパーク メディアソリューション本部 マネージャー 兼 カルチャー推進室 リーダー 繁本 莉璃奈
株式会社YOUTRUST吉野 樹氏|誰よりもお客様と向き合ってきた自信があったから挑戦できた
株式会社YOUTRUSTのプロダクトマーケティングマネージャー、吉野 樹さんのプレゼンテーションのタイトルは「プロダクトリリースにおけるプロジェクト責任者」。
吉野さんは本題に入る前に、YOUTRUSTのサービス内容とプロダクトマーケティングマネージャー(通称PMM)の職種についての説明から始めていただきました。
YOUTRUSTは、社内外の人々とつながりながら、ユーザーが設定している副業意欲や転職意欲に合わせて、スタートアップやメガベンチャーを中心とした企業からのスカウトを受け取れるキャリアSNSサービスです。
吉野さんが就いているプロダクトマーケティングマネージャー(PMM)は、サービス内のプロダクト作りの責任を持つプロダクトマネージャー(PdM)とは異なり、でき上がったプロダクトをユーザーに提供することやお客様に販売することに責任を持つポジションです。YOUTRUSTでの同ポジションは「企画」と「マーケティング」の2つが求められると言います。
次に吉野さんは自身の「ベストチャレンジ」として、はじめてプロジェクトの責任者を務めた際のエピソードを話してくれました。
吉野さんは、2023年2月末に予定されていた新プロダクト(機能)のリリースに向けたマーケティングを担当。2022年の年末からシミュレーションを重ねて取り組んだこととして「シンプルではありますが、“誰に何をどう届けるか”をとにかく考えていきました」と説明。
吉野さんは、「YOUTRUSTは転職を考える前に潜在層の方々が使えるキャリアSNSとしてサービスを提供していますが、直近の期間でアクティブに利用してくれている主要な方々は、転職を考えている方や採用を目的とした企業の方たちです。したがって未利用や非アクティブな方々にアプローチするためには、『採用以外の用途でもYOUTRUSTを活用できる』というメッセージを強調することが非常に重要でした」と述べてくれました 。
新プロダクトは、YOUTRUST上で個人がカジュアル面談を設定できる機能でした。この機能により個人が主体として趣味や共通の興味を共有し、社外の人とコミュニケーションが取れることをアピールするために大きく2つのアプローチを行いました。1つ目はYOUTRUSTが得意とするSNSを主戦場とした拡散、2つ目は既存ユーザーや社外の人を積極的に巻き込むことでした。
特に2つ目の巻き込み施策の重要施策としては、JRの首都圏全線の窓横にある広告枠を1週間ジャックし「YOUTRUSTでカジュアル面談の設定が可能である」という訴求を行いました。2つ目の施策が1つ目の SNS 拡散にも功を奏し、新プロダクトのカジュアル面談リリース当日には500件以上、月間では1,000件以上公開され、目標が達成できたそうです。
目標が達成できた要因として、プロダクトマーケティングマネージャー(PMM)としての経験や知識はなかったものの、カスタマーサクセス(CS)の部署で3年間誰よりもお客様と向き合ってきたという自信と、新機能を届けるために「できることは全部やる」という強い意志を持って取り組んだ点を挙げています。
最後に吉野さんは「これからもユーザーの声に真摯に向き合い、事業成長に貢献していくことができればと思っています」と力強く語りました。
終了後、株式会社八芳園の香川 惟さんから「ウエディング業界外から今回登壇しようと思ったきっかけは?」という質問が挙がりました。吉野さんは「YOUTRUSTはまだ6期目のスタートアップ企業で、自分の挑戦を外に伝える機会がまだまだ少なく、今回が良い機会だと捉えてエントリーしました。会社としてもスタートアップやベンチャーの人々との付き合いが多く、他の業界との接点が少ないことから異なる分野に足を踏み出そうと思いました」と話しました。
株式会社ウエディングパーク 松尾 美緒氏|人を動かすには“熱意と圧倒的な行動が必要”だと気づかされた私の挑戦
株式会社ウエディングパークの松尾 美緒さんは「デザイン経営という経営方針での実践と覚悟」というテーマでプレゼン。2022年9月にリリースした、結婚式当日のショート動画が見られるユーザー投稿型コンテンツ「ムビレポ」のプロジェクトリーダーとして挑戦した経験を話しました。
松尾さんの「挑戦」のきっかけは、入社1年目が終わろうとする3月に起きた出来事でした。ある役員からプロジェクトリーダーを打診され、松尾さんは「やります」と即座に承諾。この決断が、現在の全てにつながったと言います。
リーダーに就任したちょうど同じタイミングで、「デザイン経営の成功事例を、半年以内に出す」という発表が、代表より全社員になされました。絶対にこのチャンスをつかみたいと考えた松尾さんは、コンテンツ企画がまだ大まかな状態であるにもかかわらず、半年以内にサービスをリリースすることを宣言しました。
「大きな声で宣言をしたものの、最初からすべてが順調に進むほど甘くはありませんでした」と振り返る松尾さん。経験不足やスケジューリングの甘さに気付かされ、非常に困難な状況に直面したと語ります。
宣言した期限が迫っている中、本当にこのままでいいのかと立ち返ることで、松尾さんはある気づきを得ました。それは、「熱意だけでは人は動かせない。信頼が大事で、信頼を得るためには熱意と圧倒的な行動が必要である」ということ。それからの松尾さんは自分自身が一番初めに行動することを意識するようになりました。
「誰よりも行動し続けることで、応援してくれる仲間が次第に増えていきました」と松尾さんは語りました。同じチームのメンバーも限界まで挑戦し続けてくれ、最終的には宣言した期限ぎりぎりにサービスをリリースできました。
「今思い返すと泣きそうになるぐらい本当に全力でやりきりました」と振り返る松尾さん。「あのとき挑戦することを選んでよかったなと思いましたし、人生の中でもすごく大事な経験となりました」と話します。
最後に伝えたいこととして、松尾さんは「ピンチは絶好のチャンスである」と話しました。「もし現在苦しい状況にある方がいたら、このピンチはチャンスだと思い、乗り越えてほしいと思います。そして、一緒に挑戦し続ける皆さんとともにウエディング業界を盛り上げていけたらと思っています」と締めくくりました。
プレゼン後、株式会社鳥善の加藤 航さんから、「松尾さん自身がこのプロジェクトを経て、自分の中で一番変化したと思うポイントを教えていただけますか?」という質問がありました。
松尾さんは「それまで考えの中心は『自分視点』でしたが、経験を積み重ねるにつれ、『ひとりでできないからこそ会社にいるし、チームだからこそ出せる成果がある』と考え方が変わってきました。チームのメンバーが何を考え、どういう目標を持ってこのプロジェクトに挑んでいるのかを知るための会話を心がけたことで、私自身の目線が変わりました」と答えました。
株式会社ウエディングパーク 繁本 莉璃奈氏|経営目線を理解することが挑戦へのターニングポイントになった
株式会社ウエディングパークの繁本 莉璃奈さんのプレゼンテーマは「経営と現場をつなぐ、カルチャーづくりのリアル」。繁本さんは、セールス職のマネージャーを務めつつ、新卒1年目からカルチャー推進室という部署にも所属し、現在はリーダーを務めています。
ウエディングパークは企業のカルチャーを非常に大切にしており、その中でカルチャー推進室は「会社のカルチャーを圧倒的な競争力にする」ことをミッションに掲げています。社員総会などカルチャーの浸透を目的とした社内イベントの企画運営や、カルチャーの社外発信がカルチャー推進室の主な活動内容です。
カルチャー推進室は元々若手による組織づくりを推進する部署であり、メンバーの入れ替わりが多く発生する特性を持つそうです。そんな中、繁本さんがリーダーになった直後に、ベテランメンバー4名が一度に卒業することになりました。「この体制変更で、今後良いチームをつくっていけるのか戸惑いと不安を感じたのを覚えています」と繁本さんは振り返ります。
会社としても社員がどんどん増えていく中で、「一枚岩の組織を目指していくためにカルチャーがより大事」だと考えた繁本さんは、会社の核を担うチームを自分がつくっていけるのか、自信を持てなかったそうです。
体制変更の過程で繁本さんは、「経営層と自分の視座の違い」に気づき、それをきっかけに考え方が変わります。
繁本さんがリーダーとして果たすべき役割は、「経営と現場をつなぐこと」であると考え、経営陣の意向をしっかりと理解し、それをチームの決断とすること、そして最終的に全社員に「私たちの挑戦」として示すことだと自覚しました。そのために、繁本さんは社長から経営の考えを詳しく聞く機会を設けました。
「『経営目線』とは、私よりも遥かに視座が高いもので、遠くの未来を見据えていることに気づきました」と繁本さん。それを実感できたことが、大きなターニングポイントだったと話します。
その結果、次の未来に向けた方針をチームメンバーに伝える際、自分の思いとして表現できるようになりました。「みんなでこの決断を正解にしていこう」という風土をつくれたように感じたといいます。
最後に繁本さんは、「私たちはこれからもカルチャーの力を信じて、ビジョンである『21世紀を代表するブライダル会社を創る』をかなえられるチームをつくっていきます」と話し、続けて「ウエディング業界がもっと憧れられるようなカルチャーも、ここにいる皆さんと一緒につくっていきたい。これからも共創していきましょう」という言葉で締めました。
プレゼン終了後、繁本さんと同じく2020年新卒であるYOUTRUSTの吉野 樹さんから、「カルチャー推進という重要なミッションを担う中で、不安をどのように克服し、自分の中で消化してきたのか」という質問がありました。
繁本さんは「全ての決断には必ず背景があると思っていて、まずはその背景を自分が具体的にイメージできるまで理解しにいきます。そうすることで、本当に必要なことが、徐々に自分の中に落とし込めてくる感覚を持つことができます。そして、自分の言葉で伝えられるようになるまで落とし込めると、自信に変わっていきます。それが結果的に不安を乗り越えるエネルギーになるのではないか、とこれまでの経験を通して感じています」と答えました。
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「Wedding-UP DAY 2023」の概要に関してはこちらをご覧ください。
https://kekkon-ashita.weddingpark.co.jp/wedding-up-day-2023
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