進化を続ける「八芳園」、U30パーソン3名が語る挑戦エピソードとは|Wedding-UP DAY 2023

進化を続ける「八芳園」、U30パーソン3名が語る挑戦エピソードとは|Wedding-UP DAY 2023

2023年9月12日に開催した、ハイブリッド型のビジネスカンファレンス「Wedding-UP DAY 2023」。Wedding-UP DAYは、企業の枠を超えて人々が集い、これからのウエディングビジネスを共に考え、未来へのアクションを起こすきっかけを生み出すビジネスカンファレンスです。第2回となる今回は「あなたが仕事上でもっとも挑戦した“My Best Challenge”」を登壇テーマに、ウエディング業界内外で活躍するU30の挑戦パーソンたちが集合。リアル・オンライン合わせて385名の参加者が見守る中、自身最大の挑戦エピソードをプレゼンテーションしていただきました。

登壇者の集合写真(オンライン登壇+途中退席された2名が不在)。当日の会場では、登壇者それぞれの「名前入りうちわ」などで参加者の応援が行われました

発表時間は5分、投影資料は最大3枚。“説明”ではなく、ご自身の経験を生のことばで“伝える”形式で行われた全17名のプレゼンテーション。この記事では、株式会社八芳園から登壇した3名の挑戦エピソードをご紹介します。


■登壇者プロフィール(登壇順)
株式会社八芳園 八芳園プロデュース事業部 ライフイベントプロデュースセクション ブライダルプロデュースチーム リーダー 佐光 優璃氏
株式会社八芳園 八芳園プロデュース事業部 ライフイベントプロデュースセクション ブライダルプロデュースチーム アシスタントマネージャー 香川 惟氏
株式会社八芳園 八芳園プロデュース事業部 ライフイベントプロデュースセクション ブライダルプロデュースチーム アシスタントマネージャー 碇 美奈子氏


株式会社八芳園 佐光 優璃氏|日本らしさが感じられる“国際結婚”の挙式へのチャレンジ

まずは、佐光優璃さんから。「Thank you for coming today.」から始まる英語の挨拶が印象的だった佐光さんのプレゼンテーマは「beyond international marriage(国際結婚を越えて)」。近年増加する国際結婚の挙式へのチャレンジについて語りました。

佐光さんのプレゼンは、日本における国際結婚の件数の話からはじまりました。新型コロナウイルスが第5類に分類されるようになったことをきっかけに、日本にも数多くの外国人観光客の方が訪れるようになりました。ウエディング業界でも、国際結婚増加の傾向はますます強まっていくことが予想されます。

実際に、佐光さんも2022年12月に国際結婚カップルの挙式を担当されたそう。「いつか英語を活かせる仕事がしたい」と思っていた佐光さんにとってはこれ以上にないチャンス。しかし、同時に、そうしたチャンスの前には大きな壁も立ちはだかっていました。

「おふたりのご要望は、料理はビュッフェ形式でラフに。ドリンクは、ゲストの方がバーに入り込んで自由に飲めるようにしたい。それに加えて、アレルギーやグルテンフリー、参加者の方の宗教の戒律にも対応した料理を用意してほしい…といったもので、私がこれまで担当してきた日本の結婚式とは大きな違いがありました」

経験したことのない仕事に戸惑った佐光さん。そんな彼女の背中を押したのは、八芳園に入社した当時からの夢でした。

「弊社の企業理念は『日本のお客様には、心のふるさとを。海外のお客様には、日本の文化を。』です。おふたりの理想とする結婚式をかたちにすることは、私の夢と、弊社のミッションを最も体現できる最高の機会だと思いました」

「日本文化の美しさとおもてなしを、私の接客で楽しんでいただきたい」という想いで、おふたりに向き合ったという佐光さん。特に心がけたことは「現場の連携」でした。

「一人の知識では、乗り越えられない壁ばかりだと感じました。ですので、私はセクション間の垣根を越え、調理チームや披露宴会場の責任者、司会者、挙式担当など、たくさんのスタッフに助けを求めました。おふたりの幸せを願うスタッフが徐々に増え、全員が一緒に、親身になって考えてくれました」

こうしてできあがったおふたりの挙式プラン。料理には日本の旬の食材を用いつつ、ビーガン、グルテンフリー、ユダヤ教の方でも楽しんでいただける内容にてご用意。バーは、背景を日本庭園にしたテラスに設置することに。さらに、日本酒を用意して、海外から来てくださったご友人に日本文化を楽しんでもらえるよう、ご提案したそうです。

佐光さんは、プレゼンの最後をこう締めくくっていました。

「今回の挑戦で感じたことは、言語だけでなく、おふたりの感覚、思想、真意を深くまで理解して一番信頼できる相談相手でいることが大事だと感じました。この話を聞いて、どなたか一人でも、日本の結婚式を海外に広げていく仲間が増えていったらうれしいなと思っております」

プレゼン終了後には、株式会社ウエディングパークの松尾美緒さんから「チームやポジションを超えて連携をしようと思ったモチベーションは何ですか」という質問が投げかけられました。これに対し、佐光さんは「わざわざ日本に来てくださって、八芳園を選んでくださっていること。そして、英語を使った仕事をしたいと思っていたことが背中を押してくれました」と回答。

困ったときに一声かけるだけで手伝う姿勢を見せてくれたスタッフたちの存在も、前進するモチベーションにつながったようです。

株式会社八芳園 香川 惟氏|結婚式をつくる者として受け継いでいきたい未来への想い

次に登壇したのは、香川惟さん。テーマは「未来につなぐ想い」ということで、結婚式に携わるすべての人に伝えたい大切な心構えを、エピソードとともに語りました。

香川さんが「結婚式に携わる人たちの背筋をピンと伸ばしてくれるお話」として紹介してくれたのは、100人規模の華やかでにぎやかな披露宴での出来事。終始笑顔が絶えないおふたりが退場した瞬間に、新郎さまが膝からくずれ落ち、泣いて立てなくなる姿を目の当たりにしたのだといいます。

「実は、結婚式の1週間前にお母さまを亡くされていました。お母さまのために結婚式を挙げて、感謝の気持ちを伝えたいと思っていらっしゃったため、このまま開催して良いのかと何度も何度も迷われていました。それでも、『大好きだった母に晴れ姿を見届けてほしい』という想いで、結婚式を予定通り行うご決断をされました」

披露宴が終了した後、当時キャプテンをしていた先輩から「どうして、彼があの瞬間に涙を流したのか。どんな想いで今日を迎えたのかわかるか」と問われた香川さん。しかし、当時の香川さんは、その問いに対して答えることができなかったといいます。このときの心境について、香川さんはこう振り返ります。

「この結婚式という1日に、おふたりがどれだけの想いを託しているか、大切な人を思い浮かべて準備した時間がどれだけ尊いものか。あのときの新郎さまの姿を見て気づかせていただいたことを、今でも鮮明に覚えています」

入社して間もない頃に、結婚式に携わる者として忘れられない経験をした香川さん。リーダーとして自分のチームを持つようになった今、どのような想いで仕事に向き合っているのかについて、こう語ります。

「今まで学んできたことをメンバーに伝えていくことが、自分の使命でもあると感じています。お客さまに、メンバーに、想いを伝えられるのは、きれいな部屋や美しい景色だけではなく、“人の熱”だと思っているからです。そして、それはウエディングの素晴らしさを伝えてくださった先輩方や、最高の瞬間を感じさせてくださった多くのカップルの皆様から受け継がれてきたものでもあります。未来のおふたりのために、後輩たちのために、今後も挑戦し続けていくプロデューサーであり続けたいと思います」

プレゼン終了後、株式会社エスクリの山賀沙紀さんから「チームのリーダーとして、メンバーに普段どんな言葉をかけていますか」と問いかけられると、「伝えたい言葉や想いは人に会いに行って直接伝えてほしいと話しています」と回答。“人の熱”を信じている香川さんらしい回答で、締めくくりました。

株式会社八芳園 碇 美奈子氏|プランナーと専門学校講師、二足のわらじで得たもの

続いては、碇美奈子さん。碇さんの挑戦は、プロデュース業務に就きながら、専門学校の講師としてウエディングプランナーを目指す学生たちに向けた授業を受け持っていること。その両立の難しさや、二足のわらじだからこそ得られたことなどについて語りました。

現役プランナーとして多くのお客さまの案件を抱えながら、専門学校の講師にチャレンジしようと思った理由について、こう語ります。

「私自身が専門学生出身なこともありますし、自分自身のスキルアップを目指したいと思ったこともあります。しかし、一番大きな理由は、学生に結婚式という素晴らしい一日を感じ、自分たち軸ではなく、おふたり軸で、全力を尽くすウエディングプロデューサーになってほしいと思い、挑戦をいたしました」

しかし、碇さんにとっての壁は、本業との両立だけではありませんでした。学生たちとの向き合い方の難しさについて、このように振り返ります。

「講師になったと言っても右も左もわからず、10歳ほど年齢が離れた学生に対し、どのようにしたら想いが伝わるのか。学生が考える披露宴をより最高の1日にするためには、どのようにすればいいのかといったことには大いに悩みました。加えて、カリキュラム作成やその遂行など、さまざまな壁がございました」

碇さん自身、ときにくじけそうになりながらも講師としての職務を全うしたことで、プランナーの仕事への向き合い方が変わってきたといいます。

「自分自身のキャパシティが増えたのはもちろん、人に何かを伝えるときは、自分自身が相手にどのように向き合うのかが大事なのだと改めて学びました。そして講師としての仕事と両立していくうえで、周りの仲間の多大な尽力があったこと。改めて結婚式は一人ではつくれないと、そう強く感じました」

学生たちと向き合うことを通じて、「自分の仕事の素晴らしさ、尊さ、誇りを感じた」とも語った碇さん。「結婚式を挙げたいと思ってくれる人が一人でも多く増えることを願う気持ちを込めて、この学生たちが来年、ウエディング業界で輝き、たくさんのカップルを幸せにしてくれることを願って、皆さまへの発表とさせていただきます」とプレゼンを締めくくりました。

プレゼン終了後は、株式会社ウエディングパークの繁本莉璃奈さんから「プランナーを夢見る学生の皆さんのどんなところからから熱意を感じられますか」という質問が投げかけられました。

それに対して、碇さんは「おふたりにどうしたら結婚式という一日を楽しんでもらえるかを考えているときに、学生の皆さんの“本気”を感じました」と回答。「改めてこの子たちに背中を見せられる存在でありたいなと強く思わせてくれる学生たちでした」と、学生たちへの感謝とプランナーの仕事への意欲も見せていました。

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「Wedding-UP DAY 2023」の概要に関してはこちらをご覧ください。
https://kekkon-ashita.weddingpark.co.jp/wedding-up-day-2023

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