Wedding-UP DAY
2023.11.14
「カップルの人生と向き合いながら、自分の生き方とも向き合う」株式会社CRAZYの挑戦パーソンが語るベストチャレンジ|Wedding-UP DAY 2023
2023年9月12日に開催した、ハイブリッド型のビジネスカンファレンス「Wedding-UP DAY 2023」。Wedding-UP DAYは、企業の枠を超えて人々が集い、これからのウエディングビジネスを共に考え、未来へのアクションを起こすきっかけを生み出すビジネスカンファレンスです。第2回となる今回は「あなたが仕事上でもっとも挑戦した“My Best Challenge”」を登壇テーマに、ウエディング業界内外で活躍するU30の挑戦パーソンたちが集合。リアル・オンライン合わせて385名の参加者が見守る中、自身最大の挑戦エピソードをプレゼンテーションしていただきました。
登壇者の集合写真(オンライン登壇+途中退席された2名が不在)。当日の会場では、登壇者それぞれの「名前入りうちわ」などで参加者の応援が行われました
発表時間は5分、投影資料は最大3枚。“説明”ではなく、ご自身の経験を生のことばで“伝える”形式で行われた全17名のプレゼンテーション。この記事では、株式会社CRAZYから登壇した3名の挑戦エピソードをご紹介します。
■登壇者プロフィール
株式会社CRAZY IWAI OMOTESANDO プロデューサー 添田 瑠璃氏
株式会社CRAZY ブランドプレゼンター 船越 綾氏
株式会社CRAZY IWAI OMOTESANDO プロデューサー 高橋 遥氏
株式会社CRAZY添田 瑠璃氏|結婚式場が届けられる価値は結婚式だけではないと確信できた“私の挑戦”
添田さんの発表テーマは「結婚式場から、人生を祝い続ける場所へ」。数年前まで採用の仕事に従事していた添田さんは、人と向き合う仕事をする中で「幸せに生きる人を増やしたい」と考えていましたが、どうすれば実現できるのかわからずにいました。その後、自分の結婚式を挙げたときにはじめて「自分の人生が好きだ」と感じ、ある思いを抱きます。
「私が結婚式を通して受け取ったのは、生きる希望だ」
一大決心をし、ウエディング業界へと転職した添田さんは、これまでプロデューサーとしてたくさんの結婚式を届けてきました。「『人生がこんなに尊いものだと初めて知った』というおふたりの言葉に、何度も胸がいっぱいになった」と添田さん。しかし一方で、このような思いを抱くようになったそうです。
「こんな風に思える日が一度きりではなく、この先の人生に何度もあったならそれは本当に幸せな人生なのではないか」
そして、それが添田さんの夢になりました。
今年3月、「IWAI OMOTESANDO」の周年イベントでプロジェクトリーダーに手を挙げた添田さん。過去のイベントから考えると来場者は90組ほどでしたが、「結婚式後のおふたりが式場に帰ってくるのが当たり前の世界を見たい」と、目標人数を1.5倍に設定。“あなたもIWAIを作ってくれたかけがえのない登場人物のひとりです”という意味を込め、テーマは「The Characters of IWAI」としました。
IWAI OMOTESANDOのお客様に向けたイベントを全社員でつくるのは会社としても初めての挑戦でしたが、数ヶ月かけてつくり上げたイベントは大成功。150組300名のお客様が来場し、SNSの投稿件数も350件を超えました。『おかえりと迎えてもらって、あの日までのこと、あの日のこと、そしてあの日からのことを思って涙がこぼれた』『IWAIは出会ってから丸ごと人生をお祝いしてくれる場所だった』……お客様からの言葉に、添田さんはIWAI OMOTESANDOの存在意義と可能性を確信したと言います。
「結婚式場が届けられる価値は結婚式だけではなかった」
添田さんは結婚式後のお客様に向けたイベントに挑戦することを通して、それを証明して見せました。そしてこう締めくくります。
「結婚式後も人生は続きます。生きていれば、互いを信じられなくなる日も希望が見えない日もあります。だからわたしはこれからもおふたりの人生を祝い続けます。何度も、何度だって」
添田さんの挑戦と決意に、会場からは温かな拍手が送られました。
添田さんのプレゼンの後、ウエディングパークの繁本莉璃奈さんから、これまでたくさんの人の人生をお祝いする瞬間に立ち会ってきた添田さんに、結婚式での印象的なエピソードについて質問がありました。
添田さんが挙げたのは、結婚式を開いたおふたりの親御さんとのエピソード。「結婚式後に親御さんが手を握ってくださって『この一日があって、私の子育ても振り返れて、私の人生も肯定されたようだった』というお話をいただいたことがすごく記憶に残っている。おふたりだけではなくて、おふたりのご家族やおふたりの人生をつくったすべての人たちの人生も肯定できる日をつくりたいと思っているので、そういう思いが届いたのだと思った」と語りました。
株式会社CRAZY 船越 綾氏|ウエディング業界を変革する“コア営業”への挑戦
「結婚式の営業と聞いて、何を思い浮かべますか?」そんな問いかけから話し始めた船越さん。
以前は、特典やスケジュールなどのメリットを前面に打ち出す営業が中心でしたが、新規営業の可能性を広げたいと新たな挑戦を始めました。発表のテーマに掲げた「業界の新規営業を変革する、新時代営業への挑戦」は、そんな船越さんがたどり着いた“コア営業”のエピソードです。
“コア営業”とは、おふたりの関係や人生の背景をじっくりヒアリングし、結婚式がどういう機会になればいいのかを一緒に考え、本当の意味で納得して契約にいたる営業のこと。そうすることで、「結婚式を終えた後くらい、心が満たされる時間を提供できる」と船越さんは考えています。
結婚式後に必ず行う振り返りで、ふたりとどこまで深く繋がれたかをチェックする項目をつくり、課題と向き合い続けたという船越さん。これを続けたことで、チーム内の契約率は10ポイントもアップしたそうです。
その中には、コア営業によって結婚式をする決断をしてくれたカップルもいます。あるふたりに、親御さんとの関係をヒアリングしていたときのこと。「彼は家族から愛されているんですよ」とつぶやいた一言に、“家族の愛情を感じたい”という想いを感じ取った船越さんは、彼女の人生に耳を傾けます。しかしふたりは予算が合わず、式自体をあきらめることに。それでもあきらめきれなかった船越さんは、こう伝えました。
「結婚式を通じてお母様にさみしかったと伝えてみませんか?費用は高く感じるかもしれません。でも人生に投資しませんか?信じてください」
その言葉に決心したふたり。結婚式後に彼女から「家族に悩んだ人生だったけど、家族全員が素直になれて思いが通じ合えた」という声を聞き、「コア営業はふたりの人生も変えられる」と確信したと言います。
そして船越さんは言います。
「おふたりとの関係性を築くためには、日常から家族や仲間、身近な人との向き合い方が大事。その向き合い方がコア営業につながり、自分自身の成長にもつながります」
ウエディング業界にはさまざまな営業の仕方がある中、船越さんは「コア営業は楽しいし、ふたりや自分自身を幸せにできる最高な仕事」と自信を持って語ります。夢はコア営業が業界に広がり、自身の営業に誇りを持ち、幸せな結婚式を挙げるカップルを増やすこと。そんな未来を信じ、「新規営業を変革し続けたい」と力強く宣言してくれました。
プレゼン終了後、自身も新規営業にたずさわっているという株式会社八芳園の佐光優璃さんから、お客様へのヒアリング時にポイントにしていることについて質問がありました。
船越さんは「結婚式の話ではなく、まずはおふたりの関係性について聞く」と回答。「おふたりがいつ出会って、第一印象はどこがよくて、お互いのどういったところを尊敬しているのかなどを聞くと、そこにおふたりの価値観や大事にしていることが詰まっている」とのこと。それをもとにおふたりに合った結婚式を提案しているそうです。
株式会社CRAZY高橋 遥氏|失敗を恐れ、仕事を楽しむことを制限してきた自分からの脱却
「お客様の笑顔が見たい」――その一心で、7年間、サービス業を続けてきた高橋さん。しかし、少しの気の緩みが大きな失敗につながると知ってから、接客が楽しめなくなってしまいます。そんな高橋さんの発表のテーマは「“減点”に怯える私はもうやめた。」。失敗を恐れ、仕事を楽しむことを制限してきた自分から脱却した経験を語ってくれました。
以前の高橋さんは、「楽しいのは気を抜いていること」と自分を責め、「まだがんばりが足りない」と行動を制限していたと言います。ミスがなくなれば周りからは信頼され、お客様も安心してくれます。その時は「これが求められていたことなんだ」と確信していました。
CRAZY入社後も、その思いを信じて仕事に取り組んでいた高橋さん。しかし、目の当たりにしたのは、お客様と心を通わせるプロデューサーたちでした。堂々とおふたりの人生に向き合い、心でつながる姿に、「こんな世界、見たことがない」と圧倒され、とまどったと言います。
何が正解かわからず、悶々とする日々。続けるほどに、本当の自分は無くなっていくようでした。助けを求めて上司に相談するとこう言われます。
「完璧であろうと自分を偽ってない?自信を持って自分の人生を生きてみたら?」
その言葉にハッとし、自分自身を嘘で塗り固めようとしていたことに気づいた高橋さん。さらに上司は「間違えたり、違和感を感じたりしたら、直接ふたりに伝えてみればいい」と、一歩踏み出すためのコツを教えてくれました。
そんな苦しい経験を経て、高橋さんは今、ひとりの人間としてそれぞれのカップルと向き合っています。求める言葉を探したり、笑いを取ったりすることをやめました。おふたりの話に耳を傾け、伝えたいことをきちんと伝えるようにしました。
「おふたりの気持ちを大切にすることに加え、自分の気持ちも大切にする」。そう思えたことで、かつての考えを捨てることができたそうです。
そんなある日、担当したおふたりから手紙が届きます。
「最初は前向きになれなかったけど、そんな私たちに向き合ってくれる高橋さんに惹かれてIWAIを信じることができました。今でも“こんなとき高橋さんならどうするだろう”と考えることがあります。また必ず会いましょう」
その手紙を読み、高橋さんは初めてお客様と心でつながる感覚を知りました。
結婚式のプロデューサーは、人生の大切な節目を担う仕事。時にはその責任に押しつぶされそうになることもあります。しかし、それでも「私がひとりの人間として立つことのできる唯一無二の仕事」と高橋さんは言います。
「もうチェックリストには縛られません。ふたりと心でつながれば、その先に想像以上の景色が広がっています。そんな景色に出会うためこれからも挑戦を続けていきます」
そう締めくくった高橋さんの熱い思いに、会場は感動に包まれました。
高橋さんのプレゼンの後、バリューマネジメント株式会社の青木悠さんから「もし高橋さんと同じように悩む人がいたら、どう声をかけたいか」と質問がありました。
高橋さんは「自分は弱さを出すのが難しかったところがあったので、それでも悩みを聞いてくれる存在を信じたいという自分に変わることが挑戦だった」と自身を振り返ったうえで、「一人でもいいから弱さを出せる、信じられる人を見つけてほしいと伝えたい」と答えました。
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「Wedding-UP DAY 2023」の概要に関してはこちらをご覧ください。
https://kekkon-ashita.weddingpark.co.jp/wedding-up-day-2023
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