ビジネス
2026.09.18
「不安」を「納得」に変える見積り体験へ。エリアの異なる3社が実践する、カップルファーストな接客のかたち
結婚式場探しの段階で、ネットやSNSを通じてリアルな費用情報を事前に得るカップルが増えている昨今。しかし、ウエディングパークの調査では今も約8割のカップルが結婚式の費用に対する不安を抱えています。
そうした費用への不安や見えにくさに真摯に向き合い、誠実な提案を大切にする式場があります。
「現実的な費用データを早い段階で見せる『費用の透明化』と『自分たちで選ぶ納得感』こそが、これからの顧客満足に繋がる」——
この共通の信念のもと、静岡・埼玉・大阪とそれぞれ異なる地域で独自のブランドを築く3社とウエディングパークの合同座談会が実現しました。3社が共通して活用するのが、先輩カップルの実際の写真とリアルな費用データをセットで見せられる接客支援ツール「mierepo(ミエレポ)」です。
本記事では、座談会を通じて見えてきた、カップルに誠実に向き合う3社の見積りに対する「考え方」と、見積りを「不安」から「納得」に変える新しい接客のあり方をご紹介します。
【座談会 参加式場】
- THE ORIENTAL TERRACE HIDEAWAY(静岡)[婚礼事業責任者 加藤航氏 / ブライダルアシスタントマネージャー 西出航大氏]
- HATSUNEYA GARDEN(埼玉)[鐵山亮介氏 / マネージャー池田翔太朗氏]
- une(ユヌ)(大阪)[ A氏 / プランナーB氏]
- 株式会社ウエディングパーク(主催)
※一部の参加者様につきましては、社内規定およびご本人のご希望により、お名前・役職を一部抽象化した表記にしております。
【接客支援ツール「mierepo(ミエレポ)」とは】
過去に挙式したカップルの実例写真によるイメージと費用をセットで紹介できる、レポート形式の接客支援ツール。写真を見ながら具体的な費用イメージを共有できるため、打ち合わせ初期からの相互理解と納得感を深めます。
結婚式本来の「価値」を届ける。誠実さと透明性を軸に、全員が同じ方向を向く「組織の考え方」
最初からカップルの要望を取り入れ、最終費用に近い見積りを出すのは、決して簡単なことではありません。ブライダルフェアの段階ではカップルの理想イメージが固まっていないことが多く、概算の見積りしか出せないことに加えて、 「費用総額を見て諦められてしまうのでは」という不安もあります。
それでも3社がブレずに費用に誠実であり続けられるのは、「結婚式そのものの価値」を届けたいから。おふたりの人生に寄り添うクオリティへの、強いこだわりがその根底にあります。
自社商品のクオリティへの自信とおふたりの人生に寄り添う提案
3社に共通しているのは、周囲との価格競争に巻き込まれることなく、自社の商品力と品質に絶対の自信を持ち続けていることです。
座談会の中で、埼玉の結婚式場「HATSUNEYA GARDEN(以下、ハツネヤガーデン)」の鐵山氏は、単なる価格の競り合いではなく、自社がお届けする価値を伝える大切さを強調します。他会場と比較された時こそ、提供するお料理やサービスのクオリティにプライドを持ち、「費用に見合うだけの『価値』を伝える『価値訴求』に焦点を当てている」と語りました。
この自社の商品とクオリティに対する誇りは、他の会場でも同様でした。大阪の結婚式場「une(以下、ユヌ)」のA氏は、開業から1年を迎えた会場として、デザインや提携会社をゼロからこだわり抜いたブランドとしての自負を語ります。「自分たちが提供しているものに対して、まずは自分たちが納得感を持って、それをお客様にまっすぐに伝えるスタンスを大切にしています」
「THE ORIENTAL TERRACE HIDEAWAY(以下、ジ・オリエンタルテラス)」の加藤航氏もその一人。世代を超えて選ばれ続ける確かな信頼をベースに、自社だからこそできることを明確な価値へと転換して提案していると言います。「今年で創業158年になるのですが、親御様からのご紹介や、おじいちゃん、おばあちゃんがあそこはいいよって言ってくれるような、世代を超えた信頼を大切にしています。だからこそ価格勝負をするのではなく、ドレスの内製化や専門家との協働を通じておふたりが納得して選べる体制を整えています」
価格だけの比較ではなく、自社商品の本質的な魅力に自信を持ち、自社ならではの価値を伝えることの大切さを3社ともに語っています。
最初の見積りに込める誠実さ。カップルの「味方」であり続ける姿勢を育む組織文化
初期の見積り段階で低い費用を提示し、打ち合わせの過程で大幅に費用が上がっていくという従来の慣習は、多くのカップルに不安を与えてきました。この課題に対し、3社が取り組むのは単に「数字を正直に出す」ことだけではありません。おふたりの人生や結婚式の意義にどこまでも実直に向き合い、その価値を納得して選んでもらうための「誠実な組織文化」を育むことでした。
ジ・オリエンタルテラスの加藤航氏は、カップルに「なぜ、結婚式をするのかという問いをし、納得を重ねていく姿勢を大切にしている」と語ります。
さらに、メンバーに対しても「後から上がっていく見積りを出されるのと、最初から『これくらいです』って正直に提示されて、その中で打ち合わせをしていくのと、どっちが本当にいい結婚式を作れて、おふたりといい関係性を築けるか?」という問いを繰り返し、組織に自立的な誠実さを根づかせてきたと言います。
また、ハツネヤガーデンの鐵山氏も「おふたりが本当に望むもの、やりたいことを最初から正直に提示することで信頼が生まれる」と語り、この考えが風土・文化として根づいていると言います。 最初のご案内から当日まで一貫して同じプランナーが寄り添い続ける同社だからこそ、「担当してもらえて良かった」と思っていただくためにどう信頼をつくっていくのかが大切。見積り作成時にもおふたりの希望が見積りに入っているかを細かく相談し合うプロセスをとっています。
さらに、ユヌのA氏も「この結婚式が10年後、20年後に振り返った時、おふたりにとってどんな資産になるか」という意義を現場に伝え、組織文化を育んでいると語ります。
1つひとつの見積りに誠実な想いを込め、組織全体で同じ方向を向く。このブレない文化があるからこそ、カップルとのあいだに強い信頼関係が生まれていきます。
リアルな実例がもたらす「納得感」。現場プランナーが語る、mierepoが生んだ変化
文字の見積りから「ビジュアル体験」へ。カップルが主体的に“自分で選ぶ”納得のプロセス
見積りという「文字情報」だけでは、カップルにとって結婚式費用の実態はなかなかつかめないものです。
プランナーは見積りの文字だけでも頭の中に絵が浮かびますが、お客様はそうではない。それをビジュアルで見せて納得に繋げるイメージでmierepoを活用している、とハツネヤガーデンの池田氏は現場での工夫を語ります。
「一通り見積りを説明した後に、費用比較や納得感を高めるためにmierepoを見せると、それまで口数の少なかったパートナーが画面を見て関心を示し、その後の意思決定がスムーズに進む好事例が生まれています」
また、ユヌのB氏は、「予算がシビアなお客様に対し、衣装や装花の選択肢ごとの上がり幅を具体的に示すことで、こだわりたいポイントを明確にできるようmierepoを活用しています。使用したお客様は『納得感を持って自分で選択する』という姿勢になるため、最終的に価格が上がった場合でも納得を得やすく、その後の打ち合わせや意思決定が非常に円滑に進む効果を感じている」と言います。
しかし、ツールを開示するだけで自動的に信頼が生まれるわけではありません。情報を納得に変えるには、お客様の不安に実直に向き合うプランナーの姿勢が不可欠です。
ジ・オリエンタルテラスの西出氏は、SNS等の情報から見積り上昇に不安を抱くカップルに対しても、曖昧にせず誠実に向き合うことを徹底。フルオーダーメイドだからお料理も数百円単位で微調整でき、予算内でこだわりを諦めずに形にできることを伝えることで、打ち合わせを「妥協のための引き算」から「予算内で理想を叶えるクリエイティブな体験」へと変えています。
自分で選んだものだからこそ見積りに反映されたときの納得感が、ただ見積りを出した時とは全然違う。単に数字を開示するだけでなく、そこにおふたりの選択の自由とプランナーの誠実な姿勢が重なって初めて、見積りは「出されるもの」から「自分たちで創り上げる楽しみ」へと変わっていくのかもしれません。
費用の透明化から始まる、ブライダル業界の新たなスタンダード
これまで「成約率が下がるリスク」と敬遠されがちだった結婚式費用の透明化。しかし3社が一貫して貫いてきたのは、「最初から正直に示すことがカップルの信頼を生み、素晴らしい結婚式をつくる」というシンプルなスタンスです。
エリアも歴史も異なる3社が集まった座談会は、それぞれが信じてきた道がこれからの業界のスタンダードになると、互いに深く共感しあう時間となりました。座談会後の参加者アンケートでは全員が満足度満点(5点満点)をつけ、「明日からの接客やマネジメントが楽しみになった」との声が寄せられました。
「自分たちがやってきたことは間違っていなかったと思えた。これからの時代、きちんと価値があるものだけが残っていくと信じている」——座談会の終盤にユヌのプランナーから語られたこの言葉は、費用の透明化を信じて推進してきた運営側の心にも深く響くものでした。
「mierepo」を通じ、カップルとプランナーがともに納得して理想を叶える関係性へと、少しずつ変わり始めています。見積りという現実に誠実に向き合う提案が当たり前になり、誰もが心から安心して式場を選べる社会へ——。そんな「費用透明化」への強い願いとともに、確かな変化に向けた一歩が今、歩み進められています。

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