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【連載 vol.3】いくらかかる?知っておきたい「妊娠出産と妊活にかかるお金の話」Dr.齊藤と妊活たまごクラブ編集長に聞く!結婚準備中にできる「プレ妊活」のススメ

結婚したら、パートナーと子育てをしたい、いつか赤ちゃんが欲しいと思っている方向けの連載がスタート!

【Dr.齊藤と妊活たまごクラブ編集長に聞く!結婚準備中にできる「プレ妊活」のススメ」】は、産婦人科医で不妊治療専門医の齊藤英和先生と『妊活たまごクラブ』編集長の米谷明子さんが、結婚準備中からできる「プレ妊活」についてお話するスペシャル対談です。

<過去記事>
第1回:【Dr.齊藤と妊活たまごクラブ編集長に聞く!結婚準備中にできる「プレ妊活」のススメ】妊活スタート前に知っておきたい!妊娠しやすい体づくり~女性編~

第2回:【Dr.齊藤と妊活たまごクラブ編集長に聞く!結婚準備中にできる「プレ妊活」のススメ】妊活スタート前に知っておきたい!妊娠しやすい体づくり~男性編~

第3回は、とっても気になる「妊娠出産と妊活にかかるお金の話」。4回にわたる対談記事、ぜひパートナーと一緒に読んでみてくださいね。

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■ プロフィール
齊藤英和(さいとう・ひでかず)
元国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター 副センター長。現在梅が丘産婦人科ARTセンター長。

米谷明子(よねや・あきこ)
ベネッセコーポレーション『妊活たまごクラブ』編集長。『妊活たまごクラブ』誌面で斎藤先生に妊活特集の監修をいただく。https://st.benesse.ne.jp/ninkatsu/
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結婚準備中の人たちに伝えたいことは…。

米】本連載は、第1回は「妊娠しやすい体づくり~女性編~」、第2回は「妊娠しやすい体づくり~男性編~」ということでお話をしてきましたが、どちらもできれば自分の体を知っておくために、クリニックには行ったほうがよいというお話でした。今回は妊活にかかるお金について教えていただきたいと思います。
妊娠した後は、妊娠中の検査、出産費用、育児などにお金などがかかるわけですが、もしなかなか妊娠しない場合は、不妊治療にお金がかなり膨らむイメージがあります。
齊】補助金もありますが年齢制限※があります。そして費用も時間もかかります。不妊治療は、しないで済むならしないほうがいい治療です。
※「特定不妊治療医療費助成制度」…体外受精、顕微授精について助成する制度。ただし助成対象年齢(女性は43歳未満)、所得制限あり)
米】ご専門が不妊治療の先生でいらっしゃるのに、はっきりおっしゃいますね。
齊】でも、その通りですよ。だからこそ結婚準備中の人には、先延ばしにすればするほど妊娠しにくくなるから、そして不妊治療をしたら費用もかかるから、ということを、口を酸っぱくしてお伝えしたいのです。

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不妊治療のプロセスは?費用はいくらかかる?

米】結婚準備中の人にとっては現実的な話ですが、不妊治療はいくらお金がかかるか知っておいてもらってもよいのではと思うのですが。
齊】知っておいたほうがよいと思いますよ。
米】自然に妊娠するのではなく、不妊治療に頼らざるを得ないケースもあるわけですよね。選択肢があることは知っておいていいことだと思うのですが…。
齊】そこは考え方を切り替える必要が出てくるといます。赤ちゃんが欲しくて子作りを意識したがなかなかうまくいかない場合は、うまくいかないことを長く頑張るよりも、お金をかけてでも不妊治療をしたほうが、赤ちゃんが授かる可能性がある。そこでお金をかけてでも不妊治療を選択するか、ということです。
米】不妊治療はどのような治療をするか、そしてどのくらい費用がかかるか教えてください。
齊】不妊治療は、最初は男女ともに不妊の原因を調べる基本の検査から始まります。こちらは、男性は1回。女性は月経の周期によって複数回。費用はそんなにかかりません。
検査を経て次は排卵日を予測して妊娠しやすいタイミングを指導する「タイミング法」。こちらは1回数千円~8千円程度です。そこで妊娠をしなかった場合、精子を子宮に注入して受精の確度を高める「人工授精」。費用は1回1万~2万円程度。これを数回トライして妊娠しない場合は、さらに精子と卵子を体外で受精する「体外受精」や「顕微授精」に進みます。これらは1回30万円~50万円くらいします。
米】ステップが進むほど高額医療となるわけですね。しかも、それぞれ1回で妊娠するとも限らず、複数回トライをするので、回数分お金がかかりますね。
齊】これまでも申しましたが、年齢が高くなるほど男女ともに妊娠しづらくなる。そうすると年齢的に早く始めれば不妊治療の回数も少なくて済むかもしれないし、簡単な治療法で済むということもあります。
米】不妊治療は、保険が適用されないものが多く、高額な費用がかかります。またさらに体外受精の回数が、年齢と関係するということで、赤ちゃんひとりを妊娠するまでにかかった費用の統計が、女性が30代前半であれば150万円、40歳以上では平均して約372万円、45歳だと約3704万円ということをお聞きしましたが、これは本当ですか?
齊】体外受精は1回安くても二十数万円、高いところだと50万円くらいかかります。それぞれの世代で体外受精の成功率は30代だと確率約20%。ということはつまり。だいたい5回受けて妊娠したとすると少なくとも150万くらいかかるということに。40歳だと10%までいかないので、10回前後受けることになるし、45歳になると1%以下です。100回受ける人はいないけれども、まあ何千万という計算になる。
米】ある一定の年齢になると、人工授精を何回やっても妊娠率は上がらない、というデータもありますね。

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※40歳未満でも、人工授精の回数を重ねても妊娠率は7回目以降変わらない。

齊】40歳以降になると7回どころか、人工授精を3回以上しても、ほとんど妊娠率は変わらなくなります。若ければ、回数が増えるほど妊娠率は上がるけれど、年をとると回数をいくら増やしても妊娠しないということは、もうデータとしてわかっています。

妊活の通院で職場を休みにくい!? 

米】ところで、不妊症の定義はカップルが避妊しないでセックスして1年たっても妊娠しないこと、となっていますが、つまり1年に最大12回しか妊娠のチャンスはないことになりますね。意外と少ない…。
齊】結婚の平均年齢が上がっているから妊娠しにくくなり、1年間で妊娠しない人は、どんどん増えることになるよね。だから年齢が高いほど、できるだけ早く不妊治療はスタートすると、治療期間も経済的にもよいとなります。。
米】今の女性は、働いている人がほとんどで、仕事をしながら治療で通院することになりますね。
齊】不妊治療をスタートすると、月経周期に合わせて、クリニックに何度も通う必要が出てくる。となると平日どうやって通院の時間を作るかという問題も出てきますよね。土日や夜間対応しているクリニックも増えていますが、平日に排卵日前後が重なることは当然出てくる。休みを取るのか、仕事を中抜けしてくるのかなど、働く女性たちは悩ましいところですよね。
米】「妊活で仕事を休みます」なんて、言いにくい職場も多いと思います。
齊】本当はね、女性がキャリアを積み重ねて不妊治療が必要になる前に、妊娠しやすい体の時期に妊娠することが大事だと思うんです。もちろん、子どもを持つ時期は人それぞれの判断でよいと思います。が、男女が経済的にも仕事のキャリア的にも、まだまだ頑張らないと子どもを持てない、と先延ばしにするのは良くないと思うんです。若い人にはぜひ、意識の上でも働き方改革をしてもらいたいですね。

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妊娠出産も子育てにかかるお金も、2人が納得していることが大切

米】不妊治療の問題もそうですが、結婚資金も考えなくちゃ、さらに将来の育児費用…となると、そんなにお金ない!という声も多い気がします。
これはたまひよの調査※なのですが、妊娠・出産にかかる費用として、妊娠の検査費用の自己負担分が約5万8000円。出産・分娩でかかった費用は約50万円ですが、うち出産一時金で約40万円戻るとしても、足りません。また、その他育児グッズ台、内祝、その他行事代がかかります。
齊】妊娠出産はゴールではなく、そのあと子育てがずっと続くわけです。大学まで通わせたら、それだけ教育費がかかるわけです。
米】結婚準備中の方には遠いお話に感じるかもしれませんが、いつか子どもを持つと考えたときには、妊活だけでなく、その後の教育にかかるお金もイメージしていないとですかね。
齊】だからこそ、2人が納得するような形で、家庭を作って欲しいと思います。お金はあったほうがいいけれど、必ずしも金をかけるだけがいい結婚生活ではないだろうし。
米】そうですよね、人生の中で、どこに、いつ、お金をかけるか…という価値観が一緒だったらいいですね。その延長で、赤ちゃんが欲しいとなったときに、どこにお金をかけるか2人が相談しあえたらいいですね。
齊】医師としては、できれば不妊治療はしないでって言いたいです。だってもったいないじゃない、お金も時間も。
米】何百万円かけても希望が達成できない、ということもありますからね。
齊】理不尽なようだけど、しかたがないことなんです。その何百万という計算も、不妊治療に実際にかかったお金というだけでなく、そこにかかった時間もあります。でも2人が納得して不妊治療にトライしてみるというのだったらいいです。
米】2人の考え方しだい、ということですね。
齊】これを、若いうちから意識してほしいです。どういう選択してもいいけれど、若いうちに自分のライフプランを立てて、納得したうえで、治療を受けてほしいですね。「いつか不妊治療受けてもいいから、今は仕事優先」と思うならそれでもいいわけです。ただ、知らないで、産むのにベストな時期を逃すということはもったいない。
米】人生の中の優先順位としての「時間とお金」、大切ですね。

(撮影/古谷利幸 文/関川香織 企画編集/たまひよ、ウエディングパーク)

※本記事は、たまひよウエディングパークの共同企画です。

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