写真には「自分の内面」が写る。写真を自分の味方にする、最高の一枚の撮られ方

写真には「自分の内面」が写る。写真を自分の味方にする、最高の一枚の撮られ方

写真一枚で、人生が変わる──。

大げさに聞こえるかもしれませんが、写真の「撮られ方」を教えるレッスンを全国各地で開催しているフォトグラファー・渕上真由さんの元には、受講者から「名刺の写真を変えたら、仕事が舞い込むようになった」「自分のことを好きになっていった」といった声が集まっています。

写真は、「自分のことをどう思っているか」がそのまま写るもの。ここに、自分の明日が動き出す写真のポイントがあるのです。

経営者からモデルまでさまざまな人の運命の一枚「シンデレラフォト」を撮影してきた渕上さんは、「誰でも、簡単に、劇的に、写真写りが良くなる」と考えています。

結婚式やパーティーで写真を撮られるときの具体的なポイントから、どんな場面にも活かせる撮られ方の心構えまで、写真の可能性を最大限に自分の味方にできる「シンデレラフォトの撮られ方」を教えていただきました。

————————————
■ プロフィール
渕上 真由(ふちがみ まゆ)

フォトグラファー、一般社団法人フォトコミュニケーション®協会代表理事。30歳でフリーランスのコーチとして独立後、コーチングのセッションで撮影していた写真が好評となり、フォトグラファーとして活動を開始。経営者やミス・ユニバースからも多数指名されている。2019年に著書『自分史上最高にかわいく写る シンデレラ・フォトレッスン』を出版。写真の撮られ方などをテーマにセミナーを開催。公式ブログ
————————————

写真写りが良くなったら、人生の物語が動き出す

── 渕上さんは「シンデレラフォト」をテーマに書籍を書かれていますが、「シンデレラフォト」とはどんなものなのでしょうか。

私はこれまで、写真の撮り方だけでなく“撮られ方”をお伝えするレッスンを開催してきました。受けてくださった方々からは、就職や婚活、起業などの挑戦がうまくいっただけでなく、「自分に自信を持てるようになった」「自分の魅力を認められるようになった」などのご自身の自己肯定感につながっているという感想をいただいて。そうやって自分を好きになれると、みなさんどんどん夢を叶えていかれるんですよね。

これってまるでシンデレラストーリーのようだと思いませんか?たった一晩でシンデレラの運命を変えた魔法のように、写真は一枚で人生を変える可能性を持っているんです。

写真写りが良くなれば、人生がもっと素敵な方向に動き出す。そんな運命の一枚を誰もが手に入れられるという思いを込めて「シンデレラフォト」と呼んでいます。

cinderellaphoto_1.jpg

イラスト:さとうあゆみ

── 渕上さんが写真の持つパワーに気づいたのは、どんなきっかけだったんですか?

心に関わる仕事をしているうちに、写真の魅力に気づいていきました。そもそも私がフォトグラファーとして活動するようになった理由は、「コーチング」なんです。コーチングとは、相手が本来持っている可能性を発揮できるようにサポートするコミュニケーションのこと。コーチは答えを与えたり何かを教えたりするのではなく、相手の中にすでにある答えを見つけるお手伝いをします。

私は29歳になる頃にシステムエンジニアに転職したのですが、あまりにも仕事ができなくて。根性と努力で何でも乗り越えられると思っていたのに、どんなに朝早く出勤して夜遅くまでパソコンと向き合っていても、私にはできなかった。「こんなにできないんだ」って自分の存在意義を疑って、トイレで涙する毎日でした。

その頃勉強し始めたのが、コーチング。最初はとにかくボロボロになった自分を励ますために勉強していたのですが、友人に対してコーチングすることが増えていきました。次第に、目の前にいる人の心にかかっていた負担を少しでも軽くできることにやりがいを感じるようになって、30歳でコーチとして独立したんです。

コーチングと写真が繋がったきっかけは、コーチングのセッションを終えたときのお客さんの表情でした。本当の心が解き放たれたときに、みんな魔法がかかったように美しい表情をするんですよ。だから「今すっごくいい顔をしていますよ」とお伝えしたくて、趣味で続けていたカメラで写真を撮ってお渡しするようにしました。これがすごく喜ばれて、写真の可能性を実感していきましたね。

── 渕上さんの思う「写真の可能性」って何でしょうか。

自分の魅力を自分で見つけられるようになる、その手助けをしてくれることです。加工などで新たに付け加えるのではなく、今の自分がすでに持っている魅力に自分自身で気づく。良い撮られ方をしている写真は、自分のいいところを発見するヒントになってくれます。

自分らしい写真を撮られる秘訣は、心を解放すること

── 現在は主にフォトグラファーとして活動されていますが、写真を撮るときにコーチングのコミュニケーションを活かされていますか?

そうですね。写真もコーチングも、その人の魅力をその人自身が気づけたらいいな、と願いながら目の前の人と向き合います。信頼関係を築ければその人らしさを見せてもらえる、ここは写真とコーチングで似ている部分だと考えているんです。

写真を撮るときに、初めて会ってすぐにカメラを構えたら警戒されてしまいます。だから個人の写真を撮る前に、美容院のカウンセリングのような感覚で被写体となる方と1時間程度お話しするんです。雑談のように、やりたいこと、もしくは今悩んでいることからお話ししていくと、どちらの入口であっても夢や希望の話題につながっていきます。悩んでいるのも、やりたいことがあってこそですから。

── 写真を撮る前にしっかりお話しされるんですね。そのコミュニケーションをどうやって写真撮影につなげるのでしょうか。

自分の好きじゃないところ、できないことに目を向けて鎖が絡まっていた心が、お話ししていくうちに少しずつ解放されていくんです。「あなたが未来を創っていけるね」「やりたいことをきっと実現できるよ」って結論に近づいていくと、みんな気づいたらすごくキラキラしていきます。

「私、できるかも」「自分を信じてみようかな」って思えたときに、私が「今の表情、とっても素敵!」って写真を撮らせてもらうと、その人らしさがすごく引き出されるんです。コミュニケーションの時間を共有することで写真を撮るときに心を解放してもらえて、最高の「シンデレラフォト」を撮れるのだと感じています。

写真を撮られるときに、正解を探さなくていい

── 著書では、具体的な写真の“撮られ方”に関するノウハウが紹介されています。どのような経緯で「シンデレラフォト」の撮られ方を見つけたのですか?

この“撮られ方”は、撮影を重ねていく中で気づいていったことをまとめたものです。撮った写真をその場でお客さんにお見せして、「私、いいかも!」って思ってもらいたい。そのために、できるだけ自然な笑顔を引き出せる方法を考えていきました。

── 「結婚あした研究所」の読者には、花嫁として結婚式やパーティーを控えている方々もいらっしゃいます。花嫁として写真を撮られるときのポイントをうかがいたいです。

写真館や結婚式場での階段などで撮影するフォーマルな写真なら、表情よりも姿勢が重要です。よく「天井から糸で吊られているようなイメージ」と言いますが、背中の肩甲骨をクイッと近づけて胸を張って、首が長く見えるような姿勢をキープしましょう。あとはカメラマンさんの指示どおりに動けば心配ありません。

逆にカジュアルな写真や結婚式の本番では、とにかく表情が一番大切。良い表情をする練習としては、最大限に口を開いて「い」と「う」の口の動きを繰り返すこと。上の歯が横に8本見えるように「い」と口を動かすことで、表情筋を鍛えて口角を上げることができます。自分が思っている1.5倍は笑わないと伝わらないので、撮影や式の本番直前にも「い」「う」でトレーニングしておくのがおすすめです。

cinderellaphoto_2.jpg

イラスト:さとうあゆみ

── 慣れない状態での撮影に緊張する方もいるかもしれませんね。

でも一つお伝えしたいのは、「正解を探さなくていい」ということ。合っているか間違っているかを迷っている顔で写真を撮られるのが一番もったいなくて、不安が顔に表れるとあなたの魅力が伝わらなくなってしまう。特に花嫁さんは最高にきれいなんだから、あとは安心してプロの力に委ねて、ぜひ撮られることを堂々と楽しめたらいいんじゃないかなと思います。

正解はきっと自分で見つけていけるから

── 花嫁に限らず、写真を撮られる際に「誰かの正解を求めてしまう」人が多いかもしれませんね。

そうですね、正解があるような気がして不安になるのかもしれません。でもコーチングのセッションや写真撮影前のコミュニケーションを終えた人は、すごくその人らしい輝きのある表情をしているんです。それって周りに正解を求めていないからだと思っていて。そういう人たちに写真を通じて、「今こんなに魅力的な表情をしているあなたは素晴らしいよ、大丈夫だよ」と伝えていきたいですね。

── 渕上さんが今後挑戦していきたいことはありますか?

実は第一子を妊娠していて、予定日まであと3週間なんです。これまでは写真のレッスンをママさんたちに届ける機会がなかったのですが、子どもが生まれたら、自分もママとして一緒に子育てと写真を楽しめたらいいなと考えています。

「子育てをしていると毎日必死すぎて、飛ぶように時間が過ぎていく」とよく聞くので、頑張っているママさんたちに写真とコミュニケーションを通じて「大丈夫だよ」というメッセージを届けられたら嬉しいです。


(取材・文:菊池百合子/企画編集:ウエディングパーク
————————————

cinderellaphoto_main.jpg

○書籍『自分史上最高にかわいく写る シンデレラ・フォトレッスン』

著:渕上真由
定価:本体価格1,300円+税
発行:サンマーク出版

これ一冊で、写真写りが劇的に良くなる!
運命の一枚で、あなたの人生が変わります。

スマホやデジカメの普及、インスタグラムなどのSNSの流行で、
写真を撮る機会は昔よりも格段に増えました。
自撮りをするのも当たり前の光景になりましたよね。

でも、
「写真に写った自分がかわいくなくて、ショックを受けた」
「気をつけていても、いつも半目になってしまう」
「カメラをかまえられると、緊張して変な顔になる」
「自撮りが苦手で、どうやっても上手に撮れない」
「そもそも、写真に写るのが苦手」
……というように、
写真写りについてのコンプレックスを持っている人も多いのではないでしょうか。

その悩みは、「シンデレラ・フォトレッスン」で解決できます!
シンデレラが魔法の力で一瞬にして素敵なプリンセスに変身したように、
写真の力を正しく借りれば、あなたの魅力もぐんと上がるのです。
そして、運命の一枚を手に入れると、あなたの人生までもが好転していく……。
この本ではそんな「写真の魔法」のかけ方をお伝えしていきます。

写真に撮られる前の心構えから、キレイにかわいく写るためのテクニック、
おしゃれな自撮り写真を撮るコツなど、知りたかったことが満載の一冊です。

関連記事