ホーム > Business > フォトジェニックな企画で乙女ゴコロを掴む!有名ホテルが企てる次の「映え企画」とは?

フォトジェニックな企画で乙女ゴコロを掴む!有名ホテルが企てる次の「映え企画」とは?

ハーゲンダッツやペプシコーラとのアフタヌーンティー。

馴染みのあるブランドとのコラボをきっかけにその名を広め、ホテルと縁のなかった若者を惹きつけているホテルがあります。

品川・御殿山にある「東京マリオットホテル」。

これまでANNA SUI、ペプシコーラ、ハーゲンダッツと毎年若い世代に人気のブランドとのコラボレーションを実施してきた東京マリオットホテルの企画は、“インスタ映え”する華やかな見た目から、SNSを中心に多くの支持を集めています。

haagen_AT2018_2.jpg現在開催中の「ハッピーハートアフタヌーンティー2018 with ハーゲンダッツ」は、両ブランドのテーマカラーであるレッドとハートをモチーフに

このような斬新な企画を次々と生みだせる秘訣はどこにあるのでしょうか。今回は、これまでにない方法で若年層のファンを獲得しながらもマリオットらしさを失わない組織のつくり方について、東京マリオットホテル総支配人の飯田雄介さんにお話をうかがいます。

-----------------------------------------
▼プロフィール
飯田雄介(いいだ・ゆうすけ)
東京マリオットホテル総支配人。明治大学政治経済学部を卒業後、株式会社オークラ ニッコー ホテルマネジメントに入社し、キャリアをスタート。豪州、米国のNikko Hotels Internationalにて約10年の経験を積み、帰国後に同社運営本部などにて要職を歴任。国内2ホテルで総支配人を務めた後、2015年に転職して現職に。現職では運営会社森トラスト ホテルズ&リゾーツ株式会社の執行役員オペレーション統括部長を兼務。

▼東京マリオットホテル
森トラスト・ホテルズ&リゾーツ初の外資系リブランドホテルとして、2013年12月に開業。全世界60か国で500軒以上のホテルを展開するグローバルホテルブランド「マリオット・ホテル」の一つ。品川から車で5分の御殿山に広がる豊かな景観の閑静なホテル。
-----------------------------------------

異色のコラボをはじめた理由


DSC_7102.jpg──他の企業とのコラボはどんな意図で着手されたのでしょうか?

飯田さん:私が2015年に総支配人に着任してから、ANNA SUIとコラボレーションしたアフタヌーンティーを皮切りに、ペプシコーラやハーゲンダッツとのコラボを毎年実現してきました。理由は、東京マリオットホテルの知名度を上げるため。前身のラフォーレ東京からマリオットにリブランドした直後で、マリオットブランドが日本で後発だったこともあり、当時は品川駅のタクシーの運転手さんに「東京マリオットホテルへ」と言っても伝わらないケースが多々あったためです。じゃあまずはマリオットを知っていただき、足を運んでいただこうとホテルの認知度アップのために注力をはかろうと方針をたてたんです。

マリオットはアメリカブランドの特性上、海外、特に北米よりのビジネスのお客様の利用が多いホテルなので、どの時間帯にもリラックスした時間を過ごしていただけるようなレストランを備えていました。レストランはホテルやブライダルよりも気軽にご利用いただきやすいので、ここから日本での知名度に関しても間口を広げてみようと思ったのが最初のきっかけですね。

──実際にコラボしてみて、どのような変化がありましたか?

飯田さん:レストランをご利用いただくお客様が全体的に増えたのと、これまではご利用いただく年齢層が40代以上と比較的高かったのですが、20代・30代のお客様、いわゆるSNS世代の方が増えましたね。「東京マリオットでアフタヌーンティーを食べたよ」等、ハッシュタグをつけてSNSに投稿してくださって、それをきっかけに他のお客様が足を運んでくださる。名前を知っていただく良いきっかけになりましたし、幅広いお客様層にご利用いただける様になり、手応えを感じています。

企画がうまれる組織づくりの秘訣

──このようなオリジナルの企画は、どのようにつくられているのですか?

マーケティングマネージャーの黒田さん:マリオットはアメリカ発祥のブランドなので、そうしたブランド感とターゲット層が合致するように関係者で集って企画をしています。

例えば2017年はマリオットブランドが創業90周年で、節目の年の企画として、シェフやパティシエ、レストランチームの関係者で、アメリカらしさや創業をキーワードにブレインストーミングの会議をおこないました。

その中で、創業当初を想起させるようなメニューでアメリカ感を打ち出す「クラシックアメリカ」をテーマにしてペプシコーラとコラボレーションしてはどうかという企画が浮かびました。実はマリオットブランドは過去アメリカで少し景気が悪くなって売上が落ち込んだ時期があったのですが、そのとき助けてくださったのがペプシだったんです。おかげさまで今のマリオットがあるのでその感謝と、アメリカブランドらしさを表現できるのではないか、ということが企画推進の決め手でした。創業当初を想起させるようなメニュー構成を、ホテルのパティシエやシェフが考えると同時に、SNS映えという観点で女性目線で提案しながら、ペプシとのコラボレーション企画を進めました。

外から見ると「なぜペプシ?」と疑問や賛否両論もあったかもしれないのですが、最後は飯田が「マリオットらしいし、やったらいいんじゃない」と背中を押してくれました。トップがおもしろさや遊び心を大切にしてくれるので、思い切った企画にもチャレンジしやすいと感じます。その結果、ペプシコーラと楽しむダイナミックでフォトジェニックなアフタヌーンメニューが誕生し、商品発売前からメディアやSNSで話題となり、たくさんのお客様にお楽しみいただけたので嬉しく思っています。

アメリカンAT.jpgマリオット創業90周年の2017年は、ペプシコーラとコラボして古き良きアメリカをテーマにしたスイーツ&セイボリーを提供

──このようなおもしろい企画が上がってきやすいように、飯田さんが組織づくりにおいて大切にされていることはありますか?

飯田さん:従業員一人一人がより組織に貢献しやすく、やりがいを感じていけるような土台づくりを進めています。例えば、これまでレストランの試食会議に参加していたのは管理職の男性メンバーが大半だったので、女性管理職や若い世代の女性メンバーにも積極的に参加してもらいフィードバックをもらうようにしました。だって、基本的に外食するときの選択権は女性が握っているじゃないですか(笑)。

だから「女性がかわいいと思うか」「写真映えするか」といったことを聞いて、どんどん視点を取り入れています。失敗したら違うやり方で取り組んでみればいい、とにかくやってみようというスタンスで、気軽に意見を出してもらって、最後の最後に私が決断して責任をとろうと考えていますね。

──新しいことにチャレンジされながらも、マリオットらしさを保つために意識されていることはありますか?

飯田さん:目指す先を示すだけでなく、戻れる場所をつくることも大切にしていますね。おもしろいことをやり始めると、自分たちの立ち位置がわからなくなるじゃないですか。だからこそ、自分たちの強み・弱みが何かを把握し、困ったらまた原点に戻れるようにしています。

例えば、私が着任する前からこのホテルのレストランはグリル料理がメインで、ベースがきちんとできているので、自分たちの商品の強みをいかしていこうと考えています。いわゆる「インスタ映え」も多少気にしますが、今まで以上に質を高めながらおいしいものを提供することも大切にしています。

ブライダルなら、一番は女性が一日主役になれることを大切に考えているので、その軸だけぶれなければ基本的には間違った企画やサービスは生まれてこないと考えています。自分たちがもともと持っていた素材をうまく広げた結果が今なので、特別なことをしている感覚はないですね。

目標と原点を大切にする組織づくりの先に

──今後どのような取り組みを進めていきたいですか?

飯田さん:コラボ企画を続けてきて、東京マリオットホテルのアフタヌーンティーにいらしたことのあるお客様がウエディングでの予約をしてくださるケースが見られています。ウエディングと宿泊とレストランを相互利用いただけるのはホテルの強みなので、今後も総合力をいかしていきたいですね。

最近はようやくホテル特有の縦社会を打破した横軸展開が広がっています。昨夏のコラボレーションアフタヌーンティーでご好評をいただいたハーゲンダッツとは今年もアフタヌーンティーのコラボレーションに加え、「Happy 」が共通テーマであることから、今夏は初めてブライダルでコラボをすることにしました。先日のブライダルフェアのときにお客様(新郎新婦)にお見せしたら、早速撮影をして楽しまれていてとてもよい反応が見られたので実際のウエディングで参列される皆さんの反応を見られるのが楽しみです。ウエディングにおける参列ゲストへのおもてなしを重視するトレンドと、ハーゲンダッツでの清涼感あるフォトジェニックなメニューはとてもよく合ったコラボレーション企画だと好評をいただいています。

2020年の東京オリンピックに向けて海外よりのお客様がますます増えてきていますが、どこからいらしてもご満足いただけて、また遊びに来たいと思っていただけるようなホテルであれるよう、そしてそのホテルで働く自分たちも「遊び心」を大切にて楽しみながら務めていきたいと思います。


(文:菊池百合子 / 編集・写真:小松崎拓郎 )

-----------------------------------------

Wedding_2018_03.jpg東京マリオットホテルでは7月1日から9月30日までの期間に披露宴を行う方を対象に、ハーゲンダッツジャパン株式会社とコラボレーションし、スペシャルパーティーメニュー「ハッピーハート ウエディング ウィズ ハーゲンダッツ」を提供するとのこと。ハーゲンダッツをホテルウエディングのパーティーシーンに日本で初めて採り入れ、ウェイティングルームでのアイテムの提供やオリジナルのウエディングケーキや参列ゲスト皆で楽しむことができる運試しのようなスイーツが登場するなど魅力的なメニューと演出をご用意されているみたいなので、気になる方はチェックしてみて下さいね。 

関連記事