結婚
2017.12.26
SNSで28万人以上が共感(いいね)!「夫婦ケンカゼロの秘訣」を『妻は他人 だから夫婦は面白い』の著者さわぐちけいすけ氏に聞いてきた
Twitterでポストされる夫婦の漫画が話題の漫画家・さわぐちけいすけ氏。2017年11月22日(いい夫婦の日!)には、さわぐちさん初の単行本『妻は他人 だから夫婦は面白い』が発売されました。帯には「出会って8年ケンカゼロ!!」の文字。どこの家庭でも起こるような普通のことを描いているように見えて、読むとなぜかハッとさせられる、さわぐちさんのコミックエッセイ。いったいどんな方(夫)が描いているのだろう?「出会って8年ケンカゼロ!!」って本当?なぜそんなに夫婦円満でいられるのか…?結婚あした研究所のスタッフが、さわぐちさんを直撃してきました!
■もともと結婚に対しては懐疑的。彼女から結婚の話が出て「結婚ってそもそも何なんだろう?」と考えた
――さわぐちさんの漫画を拝読していて、ずっとどんな方が描いてらっしゃるのだろう…と思っていたんです。そんな読者の方も多いんじゃないかなと思うので、まずは、簡単にご経歴を教えていただけますか。
岩手にある大学の教育学部を卒業して、地元の病院で医療事務をしていました。その後2014年に夫婦で上京。イラストと派遣などの仕事を両立しながら、暮らしていたんですが、東京の生活に色々疲れてしまい。妻と一緒に仕事を辞めて、オーストラリアのケアンズで、1年間ワーキングホリデーをしていました。帰国後は、イラストを中心に素材提供などの仕事をしていました。
――最初から漫画のお仕事をされていたわけではないんですね!
絵を描くのは、幼少時代から好きで、よく描いていました。オーストラリアから帰国して、新しいことにチャレンジしようと思って。文章も絵も好きだったので漫画を描いてみよう、と思ったことが、きっかけですね。
――漫画のお仕事をスタートされた時は、すでにご結婚されていたということですが、平均の初婚年齢から考えると、ご結婚が早いですよね。
結婚したのは24歳でした。周りからも「早いね」と言われたりしましたね。
実は、大学時代の後輩だった妻から、付き合った当初「結婚も視野に入れている…」って言われて。当時は結婚自体考えていなかったので「ちょっと待って!」と伝えて、結婚(=婚姻契約)とは何なのか、どんなメリットデメリットがあるのかを調べました。調べた後に「ああ、これだったら一緒にいたいから、結婚したほうが良さそうだな」と思って結婚を決めて。
結婚に突入するという感じというよりは、結婚という制度を利用するっていう感じですかね。あまり女性ウケする回答じゃないかもしれませんが。
――漫画の中にも、そのお話をされている回がありましたね(「本来の結婚」)。結婚に対するとらえ方が、すごくフラットなのが印象的でした。良い意味で結婚に期待していないというか。
そうですね。もともと本を読むのが好きだったので、色んな考え方に触れる機会があって。期待しすぎると失敗することがわかっていたので、もともと「相手に期待しない」ことは意識していました。
期待するのってわくわくするし、楽しいし、ラクですが、結婚とか旦那さんとかに過度に期待してしまうと、その期待って無限大ですよね。しかも、具体的な希望が浮かんでいたりするじゃないですか、「休日にはこうしてほしい!」とか…。
「本来の結婚」(書籍『妻は他人 だから夫婦は面白い』より)
――漫画のタイトルの「妻は他人」というのも、「相手に期待しない」スタンスがよくあらわれていますよね。ところで「妻とケンカしたことがない」と書かれていましたが、本当に奥様とケンカをしたことがないんですか!?
うーん、ない…ですね。「ケンカしたことがない」がアピールポイントになるとは全く思っていなかったので、今回の単行本の帯にコピーとして入っていて、なんだか恥ずかしかったですね。もともと人と争うことに興味がなくて。
――色んなことにあまり怒ったりしないタイプってことですか?
そんなことないです、一般の人と同じように腹は立ちますよ。
「妻は他人」(書籍『妻は他人 だから夫婦は面白い』より)
■妻や夫への伝え方は、学べばどんどん上手くなる
――さわぐちさんの漫画を読んでいると、夫婦ケンカがゼロの秘訣に“伝え方”があるように感じるんです。「なるほど、こういう風に考えれば良いんだ!」ということが頻繁に出てきて。さわぐちさんって、もしかして普段から伝え方の達人ですか!?
いやいや、伝えるためのアウトプットの仕方は、めちゃくちゃ勉強してます。むしろ伝え方に関しては、苦手意識がありますね。
――漫画のなかで、機嫌が悪そうな奥様に対して、「機嫌悪いけどどうして欲しい?」と声をかけるシーンがありました。機嫌が悪そうな人に話しかけるのって、勇気が要るし、なかなか、率直に聞ける方って多くないと思うのですが、あのセリフは自然に出てきたものなのでしょうか。
0から生まれたものではなく、普段の妻の様子を観察したり、自分が不機嫌にさせてしまったりした経験などから…ですかね。同じことを繰り返したくないじゃないですか。
不機嫌(書籍『妻は他人 だから夫婦は面白い』より)
――奥様と一緒に住みはじめる時に「改善して欲しいことは言葉で伝えてほしい」と、伝えているのもとてもいいな、と感じました。
家族や友達相手でも、コミュニケーションって言葉が中心ですよね。表情を読み取る能力がどれくらいあるかわからないので、具体的に伝えることが大切。でも、家族や友達だったら工夫するけど、パートナーとなると「好きだったら伝わるだろう」と、過信してしまうことも多い。でも、良い関係を築く上で、言葉にして伝えるのは非常に大切だと感じます。自分の考えを最初に伝えておけば、今後コミュニケーションを取る上で楽だな、と思ったので伝えました。
――確かに…でも、意外と意識を変えて実践するのは難しいかも?
実は僕は、コンプレックスが多くて、自分のことをあんまり信じてない。自分が彼女を幸せにできるかも、はっきり言って自信はありませんでした。だけど、幸せになるのは本人達にしかできないし、何が幸せなのかも本人達にしかわからない。それもどんどん変わっていくんですよね。
僕も「スゴイことに気がついたぞ!」とは思ってもいないですし、「みんなもこうすればいいのに!」なんて一切思ってないです。「うちはこうやっているけど、皆はどう?」と伝えている感じです。
■夫婦円満の秘訣を漫画にしているさわぐちさんが、結婚生活で大切にしている3つのこと
――さわぐち家のような夫婦関係を築きたい!と思ったら、どうすればいいですか?
どこまでも冷静になること!他人が一緒に住むわけだから、「知らない人が急に入ってきて住みはじめた!」ぐらいに思って。
――なるほど「知らない人が急に」(笑)
僕たちが大切にしていることを3つにまとめるなら…
まずは、「相手をよく観察すること。そしてそれを継続すること」。僕の場合は、話すことが得意なほうなので、あえて妻を観察することを意識してやっています。だから、今日は機嫌が悪いな、とかわかります。反対に妻は話すことが得意ではないので、意識して言葉で伝えるようにしてくれています。それから「しっかり伝えて、相手の話に耳を傾けること」。最後に、もしそれが不得意なら「自分で努力して改善すること」かな。
自分自身が嫌だからとか、苦手だから、相手にどうかして欲しいって、ずうずうしいと思うんです。苦手意識はなかなかぬぐえないものですが、夫婦なので、そうも言っていられないですし。夫婦間で培ったコミュニケーション力は、仕事でもプライベートでも、生きていく上で役立ちます。相手に変わってもらうよりは、自分自身で工夫をして力を身につけていくことが大切だと感じますね。
考察視野(書籍『妻は他人 だから夫婦は面白い』より)
――さわぐちさんの漫画は、日常生活のエピソードのなかに、夫婦の努力の過程や工夫が描かれているから、読むとハッとさせられるんですね。
難しいことや斬新なアイディアは一切ないです。見ればもう、どんな人でも一目瞭然の漫画です。生きていく上で幸せになるのに必要なことって、当たり前のことをやっていれば済むと思います。
「結婚に関して、“●●をすれば上手くいく!”」みたいな、答えはないですが、当たり前のことをやっていれば、当たり前に幸せになれることが伝われば嬉しいです。
結婚は、それぞれがしっかり生きている上で、お互い一緒にいたほうが楽しいから一緒にいるもの、という風に考えています。また、自分に余裕を持ち、相手に優しくできることも重要かなと。そういうことも含めて、漫画を通じて、色々なかたちで夫婦のあり方を伝えていけたらいいなと思っています。
――最後に、ファンの方に一言お願いします。
「悩む」と「考える」の違いについて、お伝えする機会があるのですが、「悩む」というのは1日同じことをぐるぐるしていること。「考える」というのは「こういう人もいるんだ」とか、選択肢から、どれを使おうか、と考えられること。その選択肢の1つに、この漫画がなればいいなと思っています。「お昼ごはん何食べる?」となった時に、牛丼?カレー?それともお寿司?みたいな感じで、「こんなカップルありなんだ!」という感じで、選択肢の1つになれれば嬉しいです。
《プロフィール》
さわぐちけいすけ
イラストレーター・漫画家。岩手県出身。2017年、SNSで発信した夫婦円満の秘訣を描いた漫画が話題になり、描き下ろしを加えて『妻は他人だから夫婦は面白い』(KADOKAWA刊)として2017年11月初の書籍化。
公式Twitter:https://twitter.com/tricolorebicol1
○書籍『妻は他人 だから夫婦は面白い』
著:さわぐちけいすけ
定価:1,080円(本体1,000円+税)
発行:KADOKAWA
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現在13万人突破!!(2017/11/21現在)
出会って8年、ケンカゼロ。
夫婦は新婚の時期を過ぎれば、
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