サイトリニューアルで自社集客比率55%超。フェリーチェガーデン日比谷の集客強化のカギ【Wedding-UP CASE #011】

サイトリニューアルで自社集客比率55%超。フェリーチェガーデン日比谷の集客強化のカギ【Wedding-UP CASE #011】

結婚するおふたりの式場検討時の情報収集源が多様化してきている今、ブライダル業界で注目されているキーワードの一つが「自社集客」です。予約機能のある中間サービスを通さずに、式場各社の公式サイトなどから直接予約してもらう集客方法を指します。

式場が伝えたいメッセージは公式サイトにこそ込められていて、その思いに共感した顧客とのベストマッチを叶えられるのが「自社集客」。
新型コロナがウエディング業界に大きく影響をもたらし、広告費を削減する傾向が強まっている今、顧客と式場双方にとって幸せなマッチング手法として「自社集客」はますます重要になっていくのではないでしょうか。

そこで結婚あした研究所では、自社集客に注力し成功している企業の事例(CASE)を紹介する新企画「Wedding-UP CASE 〜自社集客力を鍛える〜」を立ち上げました。各社がどのように自社集客に取り組み、その先に何を目指しているのかを聞いていきます。

今回取り上げるのは、東京・日比谷公園内にある結婚式場「フェリーチェガーデン日比谷」です。2018年に公式サイトをリニューアルしたところ、公式サイト経由の来場予約数が全体の40%以上に増加。現在では、多いときには構成比55%を超えることもあるのだそうです。

お話をうかがったのは、チーフウエディングプランナーの厳樫武さん。公式サイトリニューアルで重視したポイントや、公式サイト・LP作成ツール「Webつく」※を活用した接客について聞いてみました。


■プロフィール
フェリーチェガーデン日比谷
株式会社目黒雅叙園 プロデュース事業部(クレッシェンドプロデュース)

日本初の西洋式公園である、東京の日比谷公園の一角に公園事務所として建てられたドイツ風バンガロー様式の建物を活用し、2006年にオープン。歴史ある建物は東京都の有形文化財でもある。「TOKYO CENTRAL PARK WEDDING」をコンセプトに、都心でアットホームなガーデンウエディングを叶えられる会場として、多くのお客様から支持されている。
公式サイト:https://felice-g-hibiya.com


公式サイト経由の来場予約数が全体の55%超を記録

——公式サイトのリニューアルを決めた理由を教えてください。

サイトリニューアル以前は、公式サイトからの予約は月に数件程度で、外部媒体からの集客に頼っていました。サイトデザインやコンテンツに関しても、会場の魅力やコンセプトを十分に伝えられておらず、もともと改善の余地があると感じていたんです。そこで、自社集客を強化するために、公式サイトのリニューアルに踏み切ったと聞いています。

リニューアル後の2018年には、公式サイトからの来場予約数が全体の40%を超え、現在では多い月には55%を超えるまでに成長しています。

——公式サイト経由で集客できている最大の要因は、どういったところにあるとお考えでしょうか。

サイト内に広告モデルは使用せず、実際に結婚式を挙げたお客様の写真を掲載していることだと思います。

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「フェリーチェガーデン日比谷」公式サイト フォトギャラリーより

フェリーチェガーデン日比谷を会場として選ばれるお客様は、おふたりが主役の結婚式というよりも、ゲストと一緒に過ごす時間を大切にしたい方が多い傾向にあります。実際の結婚式の写真を掲載することで、ゲストとの距離感や会場の空気感がリアルに伝わり、お客様ご自身の結婚式のイメージが膨らみやすいのではないかと考えています。

また、毎月のHP管理会社との定例会議にて1か月に1つ以上はページの改善を行い、1度訪問したユーザーが再度訪問した際に飽きさせない、「鮮度の高さ」を保てるよう意識しております。

コンセプトを見直して、スタッフ全員で会場の魅力を再認識

——15周年を迎えた2021年のタイミングで、会場のコンセプトを見直す機会を設けたとのことですが、きっかけは何だったのでしょうか?

新型コロナウイルスの影響で2020年には結婚式の延期や中止が相次ぎ、業界全体が大きな痛手を受けました。例にも漏れず、当社も売上が前年比約5割まで落ち込みました。

2021年に入って大手の式場を中心にお客様が戻り始めましたが、小さい会場である当社はそのペースが少し遅かったんです。今後の事業計画を考える中で、アフターコロナにおいてお客様に支持されていくためには、自分達が進む方向を明確にし、ぶれない芯の強さを持つことが必要なのではと感じました。

そこで、式場をオープンして15周年、建物は110周年という節目の年でもある2021年に、コンセプトの見直しを行ったのです。

——コンセプトの見直しは、どのように進めたのですか?

ある程度の大枠は、支配人と私が中心となって考えました。

お客様のインサイトや会場の魅力、私たちが生み出せる価値は何なのかといった点について掘り下げて考えていきました。2人だけで決めるものではないと考えていたので、方向性が合っているか、都度メンバーたちに案を投げかけて意見をもらっていましたね。

スタッフ全員で議論を重ねながら細かい部分を詰めていった結果、以前から使用していたコンセプト「TOKYO CENTRAL PARK WEDDING」を引き続き採用しよう、ということになりました。

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——従来のコンセプトを変えなかった理由を教えてください。

フェリーチェガーデン日比谷の最大の強みは、「都会の中心で本物の自然に囲まれたガーデンウエディングができること」です。この強みをお客様にわかりやすく伝えるには、従来から使用していたコンセプト「TOKYO CENTRAL PARK WEDDING」がやはりいいのでは、という結論に至りました。

——コンセプトの見直しを経て、変化したことはありますか?

コンセプトの文言自体は変わっていませんが、スタッフ全員で深い議論をした後に「やっぱりこのコンセプトでいこう」と決めたものなので、会場の良さや伝えたいメッセージを全員がしっかりと再認識できました。行動するための指針が定まったことで、新しい商品や施策を検討する際も軸がぶれず、スタッフ全員が動きやすくなっていると感じます。

——コンセプトを再設定したことが、自社集客力強化にどうつながっているとお考えですか?

「TOKYO CENTRAL PARK WEDDING」は、あくまで「どこで」結婚式をするのかを表している言葉です。しかし、我々が大切にしているのは、その奥にある「どんな」結婚式を提供できるのかということ。この点を意識して公式サイトやSNSなど自社メディアを構成したことで、より会場の魅力が伝わりやすいコンテンツになり、自社集客の強化につながったのではないかと思います。

ひとつの例としては、「ガーデンウエディング」というキーワードに狙いを絞り、「ガーデンだからこそできること」に特化していこうと決めました。「ガーデンウエディングといえばフェリーチェガーデン日比谷」とお客様に思っていただくにはどうしたらいいかを考え、ガーデンウェディングだからこそ出来る演出やスタイルの「ペット同伴ウエディング」「テントウエディング」などのページを作りました。

母数が少なくても好きな人には刺さるニッチな領域を攻める戦略を取ることで、狙いたい分野での認知が高まり、自社集客力強化につながっていると感じています。

「Webつく」で制作した診断コンテンツを接客で活用

——公式サイト・LP作成ツール「Webつく」を活用しようと考えたきっかけを教えてください。

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公式サイト・LP作成ツール「Webつく」とは…結婚式場の公式サイトやLPを、複雑な設定等必要なくカンタンに作成できるツールです。2022年10月現在は、結婚準備クチコミ情報サイト「Wedding Park」の広告商品「WCL(ウエディングクリック)9.0」をご契約いただいている式場様向けに追加費用なしでご提供中。(詳細はこちら

お客様のUXを意識した体験型のフェアをつくりたいと考え、フェアのLP作成をする際に「Webつく」を利用いたしました。

その際、他のサービスもいくつか検討したのですが、費用がかかったり、UI部分が理想と違っていたりと決め手に欠けるものが多かったんです。その中で、追加費用なく利用できる「Webつく」はとても魅力的で、まずは使ってみることにしました。

実際に触ってみたところ、LP制作を進めていく各作業(写真やリンクを入れるなど)がすべて直観的に操作でき、圧倒的な使いやすさを感じました。デザインの自由度も高く、スタイリッシュな印象のLPが簡単に作れたのがよかったです。

限られたメンバーで新しい取り組みをおこなっていく中で、スタッフ側の負担が増えすぎないようにするには利便性のあるデジタルコンテンツが必要です。「Webつく」は、そのひとつとして活用できるツールだと感じました。

——フェア用のLPだけでなく、対面接客の際に使用する診断ツールも「Webつく」で作成されているとうかがいました。これはなぜ作ろうと思われたんでしょうか?

コンセプトを再構したことでお客様が弊社に求めていることも明確になり、私たちも営業感を抑えたコンテンツをお客様に提供したいと考え始めたのがきっかけです。

お客様にとってお得な特典やプランだったとしても、こちらからアピールをするとどうしても営業感が出てしまいますが、お客さまに最適なプランを診断するツールを活用すれば、選択肢に沿ってお客様が自分の希望を選んでいった流れでおすすめのプランをご提案できるので、大切な結婚式に向けた「宝探し」のような体験をお客様にご提供できます。

また、接客経験が少ないスタッフでも、接客時に診断コンテンツを活用することで、お客様へのご提案の幅を広げるサポートになるので、新人も安心して利用できるツールだと感じています。

——診断コンテンツに対するお客様の反応はいかがでしたか?

ご自身の希望に沿ったおすすめプランが表示されることで、お客様のワクワク感が増しているなと感じました。スタッフ発信でプランを説明するよりも営業感が薄れるため、お客様にも安心感をもっていただけたのではないかと。

診断コンテンツは2022年のゴールデンウィークフェアの10日間に試験的に使用しましたが、お客様にもっと最適なプランを提案するために引き続き活用していきたいです。

デジタルツールを活用してやれることはまだまだたくさんあるのでお客様の体験価値を高められるようなコンテンツを充実させていきたいですね。

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実際にWebつくで制作した「診断コンテンツ」ページ

目指すは自社集客比率60%超。結婚式のよさを多くの人に広めたい

——フェリーチェガーデン日比谷の、今後の展望を教えてください。

「ガーデンウエディング」という領域で日本No.1の会場を目指しています。そのためにも自社集客力をさらに高め、全体構成比率60%以上を目指していきたいです。

また、年間500万人以上が訪れる日比谷公園の中にある会場だからこそ公園を訪れる一般の方々にも自然な形で結婚式に触れる機会を増やし、結婚式のよさを広めていきたいと考えています。公園を行き交う人々から結婚式が見えて、カップルに「おめでとう!」と声がかかるほど、一般の方々と距離が近いのも、会場の魅力のひとつです。

現に、「公園を散歩している時に見かけて気になったので見学に来た」というお客様もいらっしゃいます。日本初の西洋式公園で、西洋の文化に沿った海外映画のような「ガーデンウエディング」のさまざまな幸せの形を作り続けて、「結婚式って素敵だな」「こんな結婚式ならやりたい!」と思っていただける方を増やしていきたいです。

フェリーチェガーデン日比谷は魅力がたくさん詰まった場所です。結婚式を挙げるおふたり、そして日比谷公園を訪れる人々に結婚式の価値を提供できる存在になっていきたいですね。

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お問い合わせはこちら:https://www.weddingpark.co.jp/contact

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