夫婦・パートナー
2018.09.27
夫婦円満の理由は”望まない”こと。ゲッターズ飯田が「受け入れる」生き方を選ぶ理由
何かの選択に迫られたとき。どう行動するべきかわからなくなったとき。自分の未来に、漠然とした不安を感じたとき。
自分で自分の道を決めることは、捨てる道を決めるということ。不安も恐怖も押し寄せるこの決断に対して、寄り添ってくれる支えが欲しくなるときがあります。
そんな一人ひとりの選択を古来支え続けている手段の一つ、占い。ゲッターズ飯田さんは幅広い世代に支持されている占い師の一人です。
「日本一当たる占い師」と言われながら、「当たる、当たらないは重要じゃない」「占いを信用していない」と語る。その真意は、「行動」が占いよりも大切だから──。
占いの結果に合わせて、波に流されながら生きてきたと言うゲッターズ飯田さん。じゃあ目の前に波が立ちはだかったとき、どう行動すればいいですか?
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▼プロフィール
ゲッターズ飯田(げったーず・いいだ)
1975年静岡県生まれ。お笑い芸人として活動していた20代から占いを独学で勉強し、現在は占い師・放送作家として活動。占いを統計学と認識し、これまでに無償で占い続けた5万人超のデータを加味した独自の「五星三心占い」を確立。誰にでもわかりやすい占いを目指し、「芸能界最強の占い師」と言われる。2011年に結婚、3人の子どもがいる。著書は『ゲッターズ飯田の五星三心占い2019年版』(セブン&アイ出版)など多数。
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人生の波に流されるように生きていく
── 占いをはじめて2018年で21年目だそうですが、続けてきた理由はありますか?
単純に、好きだからですね。僕は「しゃべって何かを伝えて、人を喜ばせること」にこだわって生きている。占いをすればするだけみんなが喜んでくれるし、データも増える。だから続けてきました。
初めて自分が好きだなと思った仕事は、20代の頃にやっていたお笑い芸人。でも芸人としての夢が叶ったときに、もうそれ以上の壁を超えられないなって感じて。だから芸人を辞めました。そのときに自分の手元にあったのが、芸人時代から勉強していた占いだったんです。
ずっとお金をもらわずに占いをしているので、お金がない時期もありましたね。家にはパソコンもインターネット回線もなくて、交通費も払えなかった。だからパソコンを借りて占いの原稿を書いて、自転車でUSBを運んで納品していました。でもUSBを直接渡しに行くから、会った人を占って仲良くなって、また仕事につながる。そうやって今に至っています。言われたことを努力しながらやっていけば、自然と積み重なっていくんですよね。
── 経済的に厳しい時期がありながらも、占い以外の道を選ばなかったのはなぜなのでしょうか。
自分が描く「自分のやりたいこと」がうまくいくわけじゃないと思ったから、僕は自己プロデュースをあきらめたんです。占いの指示どおりに生きようと思って。そしたらうまくいきましたね。
自分から「これやりたいです」って言いません。誰かに「あなたこういう人だから、これやってください」と言われたら「はい」って引き受ける。「いや、私は」と言っちゃうと失敗します。そこにわがままが出るんですね。人生は流されるほうがうまくいくと思っています。
結婚の決め手は「この人を幸せにしたい」と思えるか
── ご自身のご結婚も、占いどおりの結果だったんですよね。
そうですね。知人の紹介で出会った女性に占いで「今月か来月に出会う1975年生まれの男性と結婚しますね」とお伝えしたら、僕が1975年生まれで。最初はそれだけだったんですけれど、占いによるとこの人は僕と結婚したら幸せになるから、じゃあ結婚しようと思って。
── どうして飯田さんは結婚を決断したんでしょうか。
「この人を幸せにしたい」と考えたからですね。災害や苦労があっても「この人と一緒だったらなんとかなりそうだな」と思える人を選ぶのが良いと思います。結婚って、自分が幸せになるためのものじゃなくて、生きていくためにするものですから。
── そうやって決断されたご結婚はその後いかがですか?
妻が幸せそうなので、結婚してよかったなと思っています。妻と一度も喧嘩したことがないんですよ。あ、怒られることはありますよ。そしたら僕は「ああ、疲れているな」って思って受け止める。しばらくすると妻も「ごめんね」って謝ってきて、それで収まっています。
── 穏やかな結婚生活なんですね。家族で過ごしているときに意識されていることがあれば教えてください。
望まないことです。夫婦だからこそ、「他人」であることを忘れないようにしていますね。自分が相手のことを理解しているなんて思ったら大間違いだし、自分も理解されていなくて当然。誰もが粗を持っていて、その粗があるから人間はおもしろい。相手に近づいたら必然的に粗も見えてくるんだから、相手の粗を楽しむか、一歩引いて近づきすぎないようにするか。どちらかです。
だって、自分で自分の感情をコントロールできないのに、他の人がコントロールできているわけないじゃないですか。気分が悪いときも、我慢できないときもある。それは自分も相手も一緒。だから夫婦生活を仕事だと思うほうが、感情的にならないのでうまくいきますね。そのままの自分を出していいときなんて、風呂場とトイレだけ。それ以外はスイッチを切り替えています。
執着すべきは「生きる」こと、そのために行動する
── お話をうかがっていると、なんでそこまでご自分を捨てられるのか不思議に思えてきます。
「生きる」ことに執着しているからですね。もっと素直に生きたらいいですよ。生きていくための条件や法則なんて考え始めてしまうから、うまくいかない。結婚も同じ。生きるための結婚なんだから、究極誰としても一緒です。
一番いらないのは、自我と執着。これを外せばすごくシンプルに生きられます。欲しいと思わない、取りに行かない、目標や目的も決めない。もちろん生き物なので、無欲ではないですよ。欲望を考え方でコントロールする。その上で、自分の中につくっていた自分像を捨てるんです。そうすれば、人生悩むこともありません。
── そこまで捨てられるものでしょうか。
できるって言ったらできますよ。できないと思ったらできない。占いも同じですけれど、話を聞いて実際に行動に移せるかどうかは、その人次第ですから。
出会いだって同じです。待っていたら白馬の王子さまが勝手に降りてくるなんてありえない。「出会いがない」なんて言っている人は、「出て会う」って字に書いてあるのに動いていないだけです。
── 占いは次のアクションを選択することを助けてくれるもので、飯田さんが「所詮占い」とおっしゃるのは「行動すること」を大切にされているからなのだと感じています。
そうですね、行動をおこすために選択の幅を一気に狭めるのが占いだと思っています。選択肢って多ければ多いほど辛い。でも「いついつまでは結婚しませんね」って伝えてしまえば、その時期は恋愛をあきらめて仕事に集中できますから。
占いによって学校で言う中間テスト、期末テストを決めているイメージですね。社会に出ると仕事に終わりがなくなって、どこを目指しているのかわからなくなる。それで不安になってしまうのであれば、占いで人生の道に「次はここで変化」「結婚はここ」ってフラグを立てたほうが生きやすいんじゃないかって。
それでも結局、「運気があるなら信じてみよう」って占いのとおりに動くのか、そうでないかはその人次第。占いはその後どう活用するかが重要であって、占うだけなら所詮占いですから。その人の「運」と「縁」を変えてくれるのは、自身の「行動」のみなんです。
(文:菊池百合子 / 写真:小松崎拓郎/企画:ウエディングパーク)
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占いを「生きていくための地図のようなもの」と語り、誰にでもわかりやすい言葉で占いの結果を語るゲッターズ飯田さん。そんなゲッターズ飯田さんが占った生き方の指針、2019年版の書籍が発売されました。
◯書籍『ゲッターズ飯田の五星三心占い2019年版』
ゲッターズ飯田(著)
定価:950円
発行:セブン&アイ出版
驚くほどよく当たると有名なゲッターズ飯田による渾身の年度版。
この一冊で、あなたのタイプ(羅針盤・インディアン・鳳凰・時計・カメレオン・イルカ)別の基本性格や運気の流れをズバリ読み解き、2018年後半と、2019年をどのように過ごせば運気が上がるかを徹底解説!本書は、生年月日から1~60の「命数」を割り出し、6冊の中から自分のタイプの本を選びます。本書に収録されている命数表は、1934(昭和9)年~2019(平成31)年生まれの方が対象です。