「描き続けたから、自分らしさを見つけた」。SNSで話題になり、イラストレーターになった徳田有希さんの仕事との向き合い方

「描き続けたから、自分らしさを見つけた」。SNSで話題になり、イラストレーターになった徳田有希さんの仕事との向き合い方


紙の上にアスパラベーコンを載せて写真を撮っているんじゃないか、と思いたくなるこちらの絵。

tokuda_5.jpg徳田さんTwitterより)

紙から飛び出してきそうな立体感やつい触りたくなるリアルな存在感が、SNSで話題になりました。

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実際に手に取れそうなほど写実的なイラストから、一転してキャラクターが前面に押し出されたキュートなイラストまで。幅広い絵を描ける若手イラストレーター、徳田有希さんの絵が話題を呼んでいます。幼い頃から毎日絵を描いてきた徳田さんは、独学で絵を勉強して23歳でプロのイラストレーターとしてデビューしました。

クリスマスの街並みに、ウエディングドレスを着た女性が嬉しそうに微笑んでいる。ウエディングパークの「#ウエパ見つけたパSNSキャンペーン」のイラストを描いたのは、実は徳田さんです。

Twitterのフォロワーは18万人を超え、ますます人気を集めている徳田さん。イラストレーターになった経緯や作品を描く思いなど、今の徳田さんができるまでのお話をうかがいました。

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■ プロフィール
徳田 有希(とくだ ゆうき)

イラストレーター、焼津親善大使。1991年生まれ、23歳からプロのイラストレーターとして活動を開始。グッズの描き下ろしからプロモーション、書籍の装画まで、幅広い分野で活躍している。オリジナルキャラクター「ひとがたくん」が人気。 Twitter / Instagram
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練習して上手く描けるようになるのが楽しかった

── いつから絵を描くのがお好きなんですか?

物心ついた頃から絵が好きで、毎日描いていました。幼稚園に通っていた頃から、自分で想像した怪獣やモンスターの絵をよく描いていましたね。これまで一度も絵を嫌いになった時期がないんです。夢中になるモチーフは変化していきましたが、絵は常に描いています。

── 怪獣やモンスターの後はどんな絵に変化したのでしょうか。

小学生になってから、少しずつ人を笑わせる絵を描くようになりました。家で絵を描いて、学校で友だちに見せる毎日。自分の絵をおもしろがってもらえるのが嬉しかったんでしょうね。授業で描いた絵で賞をもらって先生に褒めてもらったのも覚えています。

あとは漫画を好きになったので、『ドラゴンボール』や『ポケットモンスター』をよく手に取っていました。ストーリーに没頭するよりも絵に注目していたので、漫画を読みながら好きな絵を見つけて、真似して自分も描いてみて。ジブリ作品のキャラクターも好きですね。

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── ずっと絵が好きで毎日描いているとのことですが、絵を意識して練習した時期はありましたか?

高校生の頃からインターネットを使うようになって、ものすごく絵が上手い人たちの存在を知ったんです。それから「もっと上手く絵を描けるようになりたい」と思うようになりました。独学で日々練習しながら自分で描いたイラストをインターネットで公開して、知らない人からの評価をチェックしていましたね

── 具体的には、どんな練習をしていたのでしょうか。

人間を描けるようになりたくて、高校生の頃は人間ばかり練習していました。インターネットにアップされている絵を見ながら、絵が上手い人は人間を描けるんだって気づいて。むしろ、人間を描けないと表現の幅が狭くなってしまうんですよね。今までは好きなモチーフばかり描いていましたが、「人間を描けるようになりたい、そのために練習しよう」と意識が変わりました。

── 大好きな絵を練習する毎日は、苦しくなかったんでしょうか?

いえ、自分の上達を実感できるのが楽しくて、むしろ絵を描くのがどんどん好きになっていきました。頭の中にあるイメージを、想像したとおりに描けるようになるのがおもしろくて。だから人間を描くのも苦ではなくて、いつの間にか絵を描いていないときも人間の動きや表情を観察するようになりましたね。

── 徳田さんのイラストは色がすごく印象的ですが、色はどうやって決めているんですか?

色は描きたいモチーフをじーっと見つめていると、自然に頭の中に浮かんでくるんです。そうやって全体のイメージをふくらませて、なるべく事前に色を決めてから描くようにしています。

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徳田さんアトリエ

SNSがプロのイラストレーターになるきっかけをくれた


── 独学で練習していたとのことですが、プロになれると手応えを感じたのはどんなタイミングだったのでしょうか?

21歳前後です。高校を卒業してから「好きなことをしたいな」と思って上京して、東京に来てからも毎日絵を練習していました。21歳の頃にようやく少しずつ絵でお金をいただけるようになって初めて、「プロで絵の仕事をしたいな」と思うようになったんです。

── プロになろう、と決意したきっかけは何だったのでしょうか。

人に勧められて、Twitterにイラストを投稿するようになったことですね。2013年頃なので、当時はSNSで話題になったからといって仕事をもらえる時期ではなかったのですが、「有名になったらオファーをもらえるかな」と気軽な気持ちで投稿を始めたんです。

そしたらだんだんフォロワーが増えて、自分のイラストを楽しんでもらえるのが嬉しかったですね。結果、Twitterで話題になったことでイラストの仕事をいただけるようになって、23歳からプロのイラストレーターとして仕事を始めました。今は6年目です。

── 5年以上にわたってさまざまなイラストを描いていらっしゃいますが、その中でも特にお気に入りのイラストはありますか?


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「ひとがたくん」ですね。中学生の頃から落書きで当たり前のように描いていたので、書籍『ひとがたくん』を出すなんて想像していなかったのですが、気づいたら僕のトレードマークとして定着していました。持ちキャラができると思っていなかったので、嬉しいですね。

── ひとがたくんに象徴される「徳田さんらしさ」は、描き続けていたら後からついてきたんですね。

そうですね、最初から「自分らしいイラストを描こう」と意識していたのではなく、好きなように描いていました。気づいたら、ひとがたくんを見つけるとファンの方が「徳田さんらしい」と言ってくれるようになって。自分らしさをファンの方々に教えてもらった気がします。

── 今もTwitterに定期的にイラストをアップされていますが、徳田さんらしさあふれるイラストと、すごく写実的なイラストの両方が登場しますね。

写実的な絵はたまたまTwitterにアップしてみたら、たくさんの方に話題にしていただけましたね。普段はゆるくてシュールな絵ばかり描いているので、ギャップを出せたらおもしろいかなと思っているんです。

写実的な絵を描くときは、頭の中に写真を撮るイメージで光と影を意識して、食べ物なら「おいしそう」と見た人の感情を引き出せるように工夫をしています。もともとキャラクターだけでなくリアルに描くことも好きなので、仕事に追われていないときに気ままに描いています。

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徳田さんTwitterより)

自分の好きなように絵を楽しんでもらえたら

── 5年以上お仕事を続けてきて、ご自分の変化はありますか?

以前に比べて実力が追いついてきたからか、絵を描くスピードが速くなったと思います。描いていて詰まる瞬間がなくなって、あまり苦しい思いをしなくなったんじゃないかな。いただくお仕事についても、話題性だけでなく実力も見てくださっていると感じるオファーが増えてきましたね。

あとは仕事で絵を描くときに、仕事だと意識しすぎなくなりました。僕の場合、仕事だと意識しすぎると「このキャラクターは描いていいのかな」と余計なことが気になってしまい、気をつけないと当たり障りのないつまらない絵になってしまうんです。それなら描いた後に考えようと思って、なるべく仕事だと思わないようにしています。

── 仕事も趣味もイラストだと、例えば自分の理想とする表現を貫きたくて葛藤したり苦しくなったりすることはありませんか?

ないですね。絵を描くことが苦しかったりストレスを感じたりする時期って、ほとんど全くなかったんじゃないかな。イラストレーターになったばかりの頃は、仕事で自分の表現を貫きたくて頑固になったときもあったのですが、今は仕事は仕事、趣味は趣味で割り切って描いています。全ての絵を公開するわけではないので、自分のために描く絵もありますし、ちょっと納得がいかなくてもまた描けばいいですから。

── イラストを見る方に対して、どんな思いを持っていらっしゃるんでしょうか。

僕の場合は自分の感情があまり絵に出ないので、絵で表現したい大きなテーマはないんです。絵を見た人がおもしろいなと思ってちょっとでも笑ってくれたり、癒されたりしたらいいなと思っています。むしろ何も考えずに気軽に見て、好きなように楽しんでもらえたらいいですね。

徳田さんからの、とっておきのクリスマスプレゼント

tokuda_イラスト.jpg「#ウエパ見つけたパ」SNSキャンペーンのイラスト画

── 今回この「結婚あした研究所」を運営するウエディングパークから、「#ウエパ見つけたパ」SNSキャンペーンのイラスト書き下ろしのオファーをさせていただきました。オファーがきたときはどう思われましたか?

結婚に関する仕事は初めてでしたが、僕が普段よく描いている隙間のないタイプのイラストだったので、自分に合ったお話をいただけたなと思いました。細かく描きこむ絵のオファーがほとんどないので、すごく嬉しかったですね。

── ウエディングパークの公式キャラクター「ウエパ」を徳田さんの絵にまぎれこませたイラストは、どんなことを考えながら制作を進めてくださったのでしょうか。

僕のイラストの中に「ウエパ」がまぎれていたらおもしろいな、と考えながらイメージをつくっていきました。キャラクターがたくさん登場するイラストは普段からよく描いているので、今回ものびのびと描いています。うまく溶け込んでいるウエパを探しながら、イラストを楽しんでもらえたら嬉しいです。

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(取材・文:菊池百合子 / 写真:土田凌 / 企画編集:ウエディングパーク


徳田さんが描いたイラスト内に隠れるウエディングパーク公式キャラクター「ウエパ」を見つけ出し、指定タグと一緒にTwitterに投稿すると素敵なプレゼントが当たる「#ウエパ見つけたパ」SNSキャンペーンは、12月25日まで開催中!皆様のご参加、お待ちしております!

【クリスマス特別企画】「#ウエパ見つけたパ」SNSキャンペーン(2019年12月4日~25日)
https://www.weddingpark.net/magazine/8522/

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