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互いを尊重し、変化を楽しむ。ニコライ バーグマンがデザインと夫婦関係で「無理をしない」理由

日本で活躍するフラワーアーティスト、ニコライ バーグマンさん。自然との調和を重んじるスカンジナビアンスタイルと、日本の繊細な色合いや職人の技を融合させた唯一無二のデザインが注目され、箱の中に花々を咲かせた「フラワーボックス」によって一躍その名が知られるようになりました。

日本の伝統工芸や着物、寺社仏閣から受けたインスピレーションをヨーロッパのデザインに取り入れているニコライさんが、異なるものを融合する際のポリシーは「無理をしないこと」。

ファッションからプロダクト、空間のデザインまでさまざまな領域で挑戦を続けるニコライさんに、デザインから夫婦関係まで「無理をしない」姿勢についてうかがいました。

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▼プロフィール
ニコライ バーグマン

フラワーアーティスト。デンマーク出身。園芸植物の卸売業者であった父親のすすめで19歳のときに初めて訪れた日本に魅力を感じ、日本に居住を移してフラワーショップで下積みする。2000年にニコライ バーグマンの代名詞ともなった「フラワーボックス」を発表。2001年に自身のブランド「ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン」を立ち上げ、フラワーブティック13店舗とカフェ3店舗を国内外に展開。公式サイト

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イメージと異なるものができあがる「おもしろさ」

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── フラワーデザインって、どのように作りあげていくのでしょうか。

第一印象を大切にしていて、「これが良いな」と気に入った花をピックアップします。花そのものからインスピレーションをもらうことが多いですね。次に、花や器との組み合わせを考えながら他の花を選びます。メインの花とは異なる形を取り入れたり、組み合わせたときの雰囲気を想像したり。でも、合わせやすさは重視していません。

── 完成イメージは頭の中にあるんですか?

既にイメージができあがっているときもあれば、そうでないときもありますね。「こういうイメージを持っていたけれど、全然違うものに仕上がった」ということはたくさんあります。花は生ものですから、花の形も色もすべて異なりますし、刻々と変化していきます。同じ種類の花を使ってデザインしても、同じ作品ができあがることはありません。

だから私がデザインするときは、「無理をしない」ようにしています。もともと頭の中にあったイメージに無理やり合わせようとしたところで、自然が相手ですから思っていたとおりに仕上がることはないでしょう。アーティストが柔軟でないと、その花の良さを生かせません。より良いデザインを作り上げるために、異なる種類の花が互いを引き立てあう方法をいつも探しているんです。

お互いに大切にしたいことを尊重し合う夫婦関係を

── フラワーデザインは、異なるものを組み合わせることで形になるんですね。組み合わせによって生じた変化や想像していなかった結果を、ニコライさんは柔軟に受け入れていらっしゃるように感じます。同じように「異なるものを組み合わせる」夫婦関係において、大切にされていることはありますか?

自分が大切にしていることを相手に押し付けずに、相手が大切にしていることを尊重しようとする姿勢ですね。犬派一辺倒な私が、完全に猫派な彼女に合わせて猫を買ったら愛が伝わるのではないかと考えて、彼女がフォーリンラブしていた猫をプロポーズのときにプレゼントしたぐらい(笑)。

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── それはすごい! 仕事と家族のバランスについて、意見が食い違うこともあるのではないでしょうか。

私が仕事ばかりしていたら彼女は嫌がることは理解できますし、私自身も仕事と家族のバランスをとりたいと考えていますが、「あなたは仕事のことしか考えていない」と言われるのは大の苦手です。私としては家族との時間を大切に思っていて、一方でフラワーアーティストとして生きるために必要な時間も確保することが自分の幸福につながります。

同じように、彼女にも大切にしていることがある。どちらか一方だけがハッピーなのではなく、お互いがお互いを尊重して良い影響を与え続ける夫婦でありたいなと思っています。難しいですが、このバランスを一番大切にしたいですね。

── バランスをとるために意識していることはありますか?

フラワーデザインで無理をすると良いものがうまれないように、夫婦関係においても無理をすることはお互いのためにプラスではないと考えています。だから、大切にしているものは何か、どんな時間が必要か、バランスがとれているのかどうか、二人で言葉にして伝え合っているんです。

結婚して何年も経つと自分の考えや気持ちを伝えなくなりがちですが、仕事で言えばディスカッションしないとその先に進めないのは当然ですよね。同じように、夫婦関係においてもコミュニケーションがすべて。問題を話して夫婦が歩み寄ることで、良いリレーションシップを築いていけるんだと思います。

変わっていくことは当たり前。だから挑戦が楽しい

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── お仕事でも夫婦関係でも、ニコライさんは変わっていくことを楽しんでいらっしゃるように感じます。

花が咲いて枯れていくように、変わることは当たり前なのだと自然が教えてくれました。だから問題を前にしたときも、もともと持っていたイメージとずれてしまうのではないかと不安に感じるのではなく、変化を楽しんでいます。

私の仕事の内容自体も日々少しずつ変化していて、今はフラワーアーティストなのかデザイナーなのかビジネスマンなのか、自分でもよくわかりません。でもいろいろな仕事に関わりながら、新しいチャレンジをすることがおもしろくて。そのわくわくする気持ちが、私のドライブ(仕事を進めていく活力)になっていると思います。

乗り越えたいハードルがなくなったら日本を離れよう、と長年思っているのですが、20年以上経った今でも日本でチャレンジしたいことがたくさんある。これからも日本に来た頃の自分が想像できなかったような、新しい挑戦を続けていきたいですね。

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(取材・文:菊池百合子 / 写真:伊藤メイ子/企画編集:ウエディングパーク

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