指輪・ジュエリー
2019.06.19
【レポート】世界初のティアラデザイナー紙谷太朗氏が語る「新時代の女性の輝きとは」
歴史的な建造物が多く佇む街、日本橋にある日本橋三越本店で「ブライダル・ジュエリーフェア」が開催されました(現在は終了)。数々のブライダルジュエリーの展示や、ティアラデザイナー紙谷太朗氏による「ティアラ展」が催されたほか、トークショー「ティアラが映し出す、新時代の女性の輝きとは」では、世界初のティアラデザイナー紙谷太朗氏が登壇、(株)ウエディングパークの瀬川由絵がファシリテーターとなり、「ティアラ」×「女性の輝き」をテーマに語りました。今回は、トークショーの様子をレポートします!
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紙谷太朗(かみたに・たろう)
2008年、世界初のオーダーメードのティアラデザイナーとしてデビュー。2010年には『ウェディング・モード』誌で、レディー・ガガ、ペネロペ・クルスらをイメージしたティアラを発表。ロンドンブーツ1号2号 田村淳、優木まおみ、村上萌らの結婚式のオーダーメイドティアラや、セーラームーン、伊勢丹 新宿店のオリジナルティアラを手掛ける。現在、イタリアのシューズブランド「セルジオ ロッシ」のコレクションからインスピレーションを得て制作されたオリジナルティアラが世界初公開されており、まさに世界が注目しているティアラデザイナー。
瀬川由絵(せがわ・ゆきえ)
2007年新卒で(株)サイバーエージェントに入社、広告代理事業本部にて営業として従事。2008年秋に(株)ウエディングパークへ出向、Webディレクターを務めた後に、2013年に広報専任になり、広報セクションの立ち上げに携わる。2017年より広報宣伝として、コーポーレート広報を中心に、取材対応やイベント運営、オウンドメディア「結婚あした研究所」の企画運営などに従事、現在に至る。
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デザインは女性の「強さ」と「繊細さ」から生まれる
瀬川:本日は平日のお忙しい中、こんなにもたくさんの方にお集まりいただき、ありがとうございます!ウエディングパークの瀬川と申します。今日は、ファシリテーターを務めさせていただきます。どうぞ宜しくお願いします。では、紙谷さん簡単な自己紹介をお願いします。
紙谷氏:ティアラデザイナーの紙谷と申します。今日は皆様、お忙しい中お越しいただき、ありがとうございます。今回の展示会コンセプトは「感謝の花束」です。今までティアラをつけてくださったお客様や、応援してくださった皆様に、感謝の気持ちが届けたいと思い「感謝の花束」を編んでみました。展示会で飾られている花束は全てオリジナルで、ティアラと同じように気持ちを込めて作りました。今日はよろしくお願いいたします。
瀬川:紙谷さんは2008年に世界初のティアラデザイナーとしてデビューし、今までに田村淳さんや、優木まおみさん、セーラームーンなど、数々のコラボティアラも手がけていらっしゃいますね。今回のフェアでは、イタリアのシューズブランド「セルジオ ロッシ」とのコラボティアラが世界初で公開されるなど、今世界が注目しているティアラデザイナーです。2008年にティアラデザイナーとしてデビューされたとのことですが、何かきっかけはあったのでしょうか。
紙谷氏:自分の結婚式で妻にティアラを作ったことがきっかけでした。実は僕、彼女との出会いによって世界が変わったんです。彼女との出会いは僕にとって、とても衝撃的なことでした。だから、その事実を残しておきたいと思ったんです。彼女はとても自分らしさがある女性だったので、彼女らしさを結婚式に来てくださった皆様にお伝えしたいと思ったのがきっかけで、「僕の中の彼女」をイメージしたティアラをデザインしました。
瀬川:奥様との結婚式がきっかけだったんですね。紙谷さんがデザインするティアラは「繊細」である一方、「強さ」を表現していると感じるのですが、デザインのインスピレーションはどこから出てくるものなんでしょうか。
紙谷:最初に妻のティアラを作ったことがきっかけでデザインを始めたこともあるのですが、「強い」軸の部分と「繊細さ」を融合させるデザインを大事にしています。男性にも負けないような変わらない軸というものを「強さ」で、女性の内面にある思いやりや優しさの部分を「繊細さ」で表現しています。
僕はオーダーメイドティアラも作っているのですが、デザインは一人の女性の内面や、カップルであれば、結ばれた二人の関係性が関わってきます。不思議なことに、これから結婚されるカップルにお会いすると必ずと言っていいほど、お二人のバランスがぴったり出来上がっているんです。それは「強さ」と「繊細さ」のバランスや、「たくましさ」と「優しさ」のバランス、そういう全体的なバランスで出来ていたりするので、とっても美しいなって思うんです。その美しさをそのままその形にしたときに、「繊細さ」と「強さ」が融合しているデザインになりますね。
変わらない「その人らしさ」をティアラで表現したい
瀬川:「繊細さ」と「強さ」の両方がないと美しいティアラが出来ないということですが、女性とティアラに共通するものはどんなものがあるのでしょうか。
紙谷氏:まず「繊細さ」ですが、女性の内面にある強さと優しさ、柔らかさみたいなところは、男性にはない部分なので、僕からすると、とても光り輝いているんですね。それがティアラになったときに感動的な美しさを醸し出すんです。ティアラをデザインする時は、女性の心の「繊細さ」を表現したいなと思っています。「強さ」は…そうですね、なかなか“自分らしさ”って難しいじゃないですか。理想的なパートナーと結婚したとしても、旦那が家事の手伝いをしない、子どもは任せっきり、仕事に構ってばかりだったりして、「私は、仕事と家事と育児全部やっているのにな…」「私らしさはこの生活のどこにあるんだろう?」みたいに思う人もいる。それが本音の部分じゃないですか。でも人って、どんな人でも必ず1つは変わらない“その人らしさ”があると思うんですよね。それが「強さ」だと思ってます。
そのバランスですよね。「強さ」と「繊細さ」の両方を表現したいというのが、僕のデザイナーとしての使命感みたいなものなんです。
新時代「令和」はますます女性が輝く時代に
瀬川:以前、お話させていただいたときに「ティアラのデザインは時代を象徴している」と仰っていたのが印象的だったのですが、平成から新時代の令和になり、ティアラデザインも時代とともに変わりそうでしょうか。
紙谷氏:ますます女性が輝く時代になるだろうと思っています。女性のたおやかさ、柔軟に変化できる強さ、そういうものが一番光り輝いていく時代だと思っているんです。その時代に合わせて、そういう女性の輝きをティアラで結晶化したいなっていうのが、ティアラデザイナーとしての使命だと感じています。今までの歴史的に見ても、ティアラは王室など、そこに関係のある女性のパーソナリティを表現しています。例えば、新たに王妃になった女性がつけるティアラには、その女性を表すメッセージが込められています。メッセージをどのようにデザインするのかが、ティアラの歴史なんですよね。ですので、令和時代では、より女性の内面の光り輝くようなティアラをデザインしたいと思ってます。
夫婦で大事なのは「お互いの“らしさ”を尊重できること」
瀬川:紙谷さんと打ち合わせでお会いすると奥様のお話になることが多く、本当に奥様のことを愛していらっしゃって、素敵な夫婦だなと思っていました。夫婦がお互いに幸せでいられるために大事にされていることがあれば教えてください。
紙谷氏:僕、デザインすること以外は何も出来ない人間なんですね。ずっと24時間365日仕事をしているタイプ。常に何を見ても常にデザインのことを考えているし、ティアラのことを考えている。一緒に生活していくのが難しいくらいなんですが、奥さんは一緒に寄り添ってくれる。寄り添い続けてくれる人っていうのはやっぱり「彼女しかいないな」と毎回思います。それは僕が僕らしくあるために、ということを、そのまま彼女が受け止めてくれているってことだと思うんです。僕は彼女と出会った時から、ずっと彼女の彼女らしさ、彼女がありのままでいられることを1番大事にしてきました。それは喜怒哀楽が色々あったとしても変わらない、彼女を一番大事に思う気持ちなんです。だから彼女が彼女であること、僕が僕であること、あなたがあなたであるということを、お互い表現し合って、支え合っていくということが、結婚生活、そして幸せな人生を続けていくってことなんだと思っています。
瀬川:ありがとうございます。実は先ほど奥様と少しお話させていただいたのですが、お話の端々で紙谷さんの事を尊敬されている気持ちが伝わってきました。お互いをただ尊重し合うだけではなく、“らしさ”を尊重し合う事ができる夫婦、本当に素敵だと感じました。では、最後に紙谷さんが今後ティアラデザイナーとしてチャレンジしていきたいことを教えてください。
紙谷:僕が見えている“その人の本来の美しさ”を結晶化して伝えたいという気持ちが、ティアラデザイナーとしての使命感だと思っています。こんなにも世の中は素敵なもので、溢れているということをキラキラしたティアラで結晶化して世の中に伝えるということが、僕が今デザイナーとしてやっていることであり、今後もしていきたいことです。
(写真:土田凌 / 企画編集:ウエディングパーク)