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一番大切なのは「自己開示」すること。恋愛研究者・ANNAが語るパートナーとの関係の築き方

自分の内側の声に耳を澄ませてみることからスタート
自分を粗末にする人を大事にしちゃダメ

恋愛の悩みに対して放たれるこれらの言葉は、夫婦、そして人間関係においても当てはまるアドバイスばかり。

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書籍『恋愛迷子に贈る しあわせのコンパス』より

なぜなら恋愛相談の根っこには、周囲の目を気にして自分の本心に蓋をしていたり、親との関係にまつわる悩みや幼少期からの心の傷を抱えていたりする原因があるから。

本当は、あなたはどうなりたいのか。

とつとつと悩みを語る相談者とまっすぐに向き合って、「腹の声(自分の本心)は人の腹に届き、人を動かす」を実践されている恋愛研究者・ANNAさん。『東京タラレバ娘』作者である東村アキコさんが「彼氏いない、恋できない、結婚できないと愚痴ってばかりの全国のタラレバ女はこれを読め」と推薦する書籍「恋愛迷子に贈る しあわせのコンパス」の著者でもあります。

「幸せとは遠くにあるものではなく、自分に属しているもの」

現在パートナーと「ちゃんと人間どうし」の幸せな結婚生活を送っていらっしゃるANNAさんに、お互いを尊重しあえる関係づくりにおいて大切なことをうかがいました。

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▼プロフィール
ANNA(あんな)

恋愛研究者。ホステス経験や合コンなどで約5,000名の男性と会話を重ね、持ち前の探究心と向上心で恋愛術を研究。著書複数あり。出会った瞬間に運命を感じた男性と一度結婚するも離婚。数年間のブランクを経て、もう一度同じパートナーと結婚。現在は幸せな結婚生活を送りながら、自分とは何かという探求を続けている。
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「恋愛」を探求のテーマに定めた理由

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書籍『恋愛迷子に贈る しあわせのコンパス』より

── ANNAさんは10代の頃、恋愛や結婚についてどう考えられていましたか?

「大人になったら結婚するんだろうな」と思っていました。深く考えていなかったから、「お嫁さんになりたい」みたいな夢もありませんでしたね。

でも思春期の頃からは、自分の価値を恋愛で確認したがるようになりました。当時はいつも不安で、自分だけ嵐の中を歩いている感覚。男の人が自分を「好きだ」と言ってくれること、イコール自分が必要とされている、自分の存在価値がある。情緒不安定を男性で満たそうとしていたんです。恋愛依存でしたね。

── その後恋愛を探求のテーマにしたきっかけは、お仕事でしょうか。

そうです。18歳でキャバクラに入ったら、私から見てきれいだと思えない人にお客さんがたくさんついていたり、にこにこしているだけで話さない人がナンバーワンになっていたりする世界。私はナンバーワンにはるか及ばない成績で、悔しくなっちゃって。自分ができていないことへの焦燥感と、もともと持っていた恋愛への興味が組み合わさって、疑問が浮かんだら納得するまで調べるようになりました。

例えば、ナンバーワンの人が「お客さんに言いたいことを言っているだけ」って私に説明するんです。でも私がそのとおりにしたら、お客さんは怒って帰ってしまう。どうすればいいかわからないから、本人につっこんだ質問をしたり、実際の会話に耳を傾ける。そうしていると「こういうときはこの言い方がベター」っていう法則が見えてくるんですよ。だからいろいろな人を観察しては質問していましたね。

埋め合う関係から、生み出す関係へ

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書籍『恋愛迷子に贈る しあわせのコンパス』より

── 研究を重ねられる過程で、恋愛についての考え方は変わっていきましたか?

以前は、私が努力しなくても男性が「好きだ」と言ってくれたら、「一回」とカウントする感覚だったんです。それがモテることだと思っていました。たまたま私の容姿がその人の好みだったとか、その人が寂しかったとか、そういう理由なんですけれどね。無条件に「好きだ」と言ってもらえることが喜びでした。

だから、自分が言うことをなんでも聞いてくれて、自分に全ての時間を費やしてくれることが「愛されている」状態だと思っていたんです。それだと最初の2ヶ月は良くても、2年3年って続けられない。ちやほやは一過性であって本当の愛じゃないんだ、とだんだん認識が変わっていきました。

── 恋愛に依存されていた頃とご結婚された今とでは、パートナーとの関係についての考えが大きく違いそうですね。

かつては、「自分の欠けている自信を埋める道具」としての恋愛だったんです。若い頃の恋愛はお互いに埋め合っている錯覚に陥って、燃えあがりがち。でも埋めてくれる存在を欲しがっている人どうしがくっついても、結局何も埋まらない。それじゃあ関係は続かないんですよね。

今のパートナーとは、お互いに影響を与え合う対等な関係です。埋め合っている部分もあるでしょうが、Aという人とBという人が合わさることで、新しくCの部分が生まれてきます。その人と一緒にいる時間が長くなればなるほど、どんどん自分がCになっていく感覚です。

そうやって「合流」して溶け合っている部分と、溶け合っていない異質な部分がある。どちらもあるから健全な関係。友だちもそうですが、夫婦ってそういうものなんじゃないかな。

パートナーと50年一緒にいるために大切なこと

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書籍『恋愛迷子に贈る しあわせのコンパス』より

── そうやって互いに「合流」できる関係を築いていく上で、大切なものはなんだと思いますか?

一つ選ぶとしたら「自己開示」です。尋問のように「何を考えているの?」と相手に開示させるんじゃなくて、「私こう思うんだ」って自分から開いていくこと。

「言われなきゃわからない」と理解をストップしたり、「わかってくれない」「言ってもしょうがないじゃん」って拗ねたりすることも少なくないですよね。私も、小さなすれ違いがあったりして、なんだか悔しくて自分から言い出せないことがあると、夫から歩み寄ってくれます。「昨日のあれってさ、」って声をかけてくれる。逆に夫が心を閉ざしているときは、私から「どうしたの」って語りかけるんです。

どちらも何も言わないと、ちょっとしたこじれがどんどん積もって関係が悪化してしまう。どちらが折れるかはともかく、言わないとわからないから。思っていることを言えるだけで、お互いに肩の荷が下りるんです。ときめきだけじゃ、結婚して50年も一緒にいられない。長い年月を支えてくれるのは、人間どうしの信頼と意思疎通だと思いますよ。

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書籍『恋愛迷子に贈る しあわせのコンパス』より

── 自己開示できるようになるためには、自分を認めることが必要なのかなと思いました。でもご著書を拝読していて、自分を好きになれないままに恋愛することが多いよな、とも実感しています。

そうですね。何をするのか、の前に、自分がどうあるのかが何よりも重要ですから。自分を好きになることは、言うは易し行うは難し。まずは「私が自分を受け入れられないから、この人で埋めようとしているんだ」って気づくだけで、まったく違った恋愛になっていきます。「この人は自分の人生を全て薔薇色に変える力を持っている」なんて錯覚せずに、自分で自分の中に幸せを育てていくしかないと知る。そうすれば、相手に期待しすぎて関係を壊すことがなくなります。

── 逆に「自分の存在が相手を埋められるんだ」って錯覚するケースもありますが、どこまでがエゴ(利己主義的な考え方)で、どこまでを愛と呼ぶのか気になっています。この人が傷ついていたら自分が嫌だから、相手の支えになる言葉をかける。それって愛じゃなくてエゴじゃん、って自分で思うんです。

エゴでいいんですよ、お互いに。私も夫もエゴだし、私たちはエゴでしか一緒にいられない。人が人として生きている以上は自分の生存が関わるんだから、エゴがない状態は不可能です。

夫が落ち込んでいる姿を見ると、私も胸が苦しくなる。私から優しい言葉をかけて、夫がニコッと笑ってくれたら「ああ、嬉しい」と思う。それって究極的に言えば、私にとって居心地の良い環境がなくならないでほしいからでもあります。夫が私から離れていって他の女性と一緒になったとしたら、きっとまったく同じようには思えないでしょうね。親から子どもへの愛だってエゴです。だって、自分の子どもと隣の家の子どもでは思いが違うじゃないですか。だから「自分」とか「私」という意識がある以上、100%純粋な愛だとか無償の愛なんてありません。

── ああ、エゴでよかったんですね。

エゴだと認識している人のほうが、自分にも相手にも正直だし誠実です。エゴなのに愛だと思おうとするから、「こんなに愛しているのに」ってズレや苦しみが生まれてしまう。

私は「僕が君のことを大切にしているのは、僕のためなんだよ」って言われるとすごく安心します。「君のため」と言われると苦しくなる。ありがたいけれど押し付けに感じてしまうし、束縛されている感覚になるから。でも「僕がやりたくてやっているから」って言う人のしてくれる親切は、軽やかなんですよね。

だから私もできるだけ「あなたのために」とは言わないようにしています。突き詰めて考えれば、その人が苦しいと自分が苦しいからじゃないですか。その人が笑っていると自分が嬉しいからじゃないですか。むしろ、そう理解できていると愛の純度が上がると私は思います。

未知の中に足を踏み入れるべし

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書籍『恋愛迷子に贈る しあわせのコンパス』より

── ANNAさんのように「この先の50年も一緒にいたい」と思えるパートナーと出会うために、すぐに行動に移せることはありますか?

行ったことがないところに行ってみることです。最低でも月に一回と決める。例えばクラブに行ったことがないなら行ってみる。自分には縁がないって思っていた場所でも、誘われたら足を運ぶ。「こういう場所を好む人がいい・嫌だ」と切り捨てずに、とにかく動きましょう。

自分と相性がいいのはどういう人なのか、事前にはわかりません。「こういう人がいい」と思っていても、それは私たちがこれまで出会ってきた少ない人数から判断していること。実際、理想の条件通りの人が現れたのにちっとも合わなかった、なんてことはよくあります。

私も夫と出会う前は夫のような人がいると思っていなかったので、一生苦しいまま生きていくんだなって思っていました。でも夫と出会って、「心の嵐を吹き飛ばしてくれる人が世の中に存在していたんだ」って衝撃でしたもん。そう思える相手は、これまで出会ったことがない人、今までの人間関係の外にいる人なんです。

「私には関係ない」と決めつけずに新しい場所に足を運んで新しい人に出会いに行く。そうすれば、あなたの恋愛が動き出しますから。

…とは言いましたが、衝撃の出会いがあったものの、一度はうまくいかず離婚し、その後同じ人と再婚しています。出会っただけですべてがうまくいったというわけではありません。やはり、一つずつ自己開示して、二人で関係を育て続けてこその幸せな結婚なのだと思っています。

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書籍『恋愛迷子に贈る しあわせのコンパス』より

(取材・文:菊池百合子/企画編集:ウエディングパーク

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これまで恋愛に関するインタビューを数多く重ねてきた恋愛研究者のANNAさんが、「あなたはどうなりたいのか」に寄り添いながら、時にズバッと10名の相談者の悩みをひもときます。恋愛にとどまらず人間関係の問題を次々と明らかにしていく1冊、「恋愛迷子なんて自分には関係ない」と思っているあなたにもおすすめです。

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○書籍『恋愛迷子に贈る しあわせのコンパス

ANNA(著)/ はるな檸檬(イラスト)
定価:1,296円
発行:ワニブックス

全国の独身女子から感動の嵐!約5000人の男性と会話した経験を持つ恋愛研究者・ANNAさんが、恋のお悩みをズバッと解決する恋愛指南本。ただ「デートがうまくいく」ではない、人間関係を見直す真理が詰まっています。楽しく読んで、恋愛迷子から抜け出せる一冊です。


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