
恋愛
2025.10.02
「ウエディングソングとしてやっとふさわしい曲ができた」 moon drop初のウエディングソング『みよじ』に込められた想いとは
「愛だの恋だのラブソングだけを歌い続けるバンド」をコンセプトに掲げる4人組バンド、moon drop(ムーンドロップ)。これまで数々のラブソングを歌い続けてきたmoon dropだが、ウエディングソングは「1ミリも手を抜けない」という気持ちの大きさから、長らくリリースに踏み込めなかったという。
そんな彼らが、2025年1月発売の4thフルアルバム『Sweetest』の収録曲として、ついに初のウエディングソング『みよじ』を完成させた。さらに、同年6月から新しい未来のテレビ「ABEMA(アベマ)」 限定で配信された結婚準備クチコミ情報サイト「Wedding Park」のCMソングとしてタイアップが決まったことで、「ウエディングソングにふさわしい曲ができた」という確かな手応えを得たという。
並々ならぬ思いで生まれた『みよじ』には、どんな想いが込められているのか。楽曲を制作したボーカル・浜口飛雄也に、楽曲制作の背景から、『みよじ』への想い、そして自身の考える結婚観について聞いた。

■プロフィール
浜口飛雄也(はまぐち ひゅうや)
<moon drop>
三重県伊勢市発「愛だの恋だのラブソングだけを歌い続けるバンド」
2014年3月バンド結成。デモ作品のリリースとライブ活動を重ね、2017年7月TRUST RECORDS × BUNS RECORDSへの所属を発表。2018年5月にBa.坂知哉が加入・2019年2月にDr.原一樹が加入し現体制となる。勢力的なリリースとライブ活動を重ね続け、2020年11月にTRUST RECORDS × Getting Better Records共同レーベル「D.T.O.30.」への移籍を発表。
2023年1月9日、恵比寿LIQUIDROOMにてワンマンライブを開催し、同公演にてビクターエンタテインメント/ Getting Better Recordsよりメジャーデビューを発表した。1月25日には2nd Full Album「僕の唄で君に永遠を」を配信リリース、さらに3月より開催した全国ツアーは全公演SOLD OUT。
2023年春からは全国各地の大型FESにも多数出演し、各地で会場キャパシティを大きく越える動員を記録。“人々の心を掴んで離さない生粋のライブバンド”として日々躍進を続ける中、9月よりEX THEATER ROPPONGIを含む全国対バンツアーを開催し全公演SOLD OUT。
2024年に結成10周年を迎え3rd Full Album「君にみた季節」をリリース。同年3月より自身初となる全国ワンマンツアーでツアーファイナル・自身最大キャパシティとなるLINE CUBE SHIBUYAにて開催し、全公演SOLD OUT。2025年、4th Full Album「Sweetest」リリース。同アルバムのリリースツアーでは自身初の東名阪Zepp公演を含むワンマンツアーを開催。今年秋には全国22公演・約2年ぶりの開催となる対バンツアー”ゆびきりラブストーリー”の開催も決定し、”ライブバンド”として日々進化し続ける。
多様な恋愛観を描く、ラブソングのインスピレーションの源
── moon dropといえばラブソングでさまざまな恋愛模様を描いていますが、楽曲制作のインスピレーションの源はどこにあるんでしょうか。
今までは、ほとんど実体験から書いていました。でも最近はそれだけじゃなくて、自分でストーリーを考えて書いたり、人から聞いた恋愛話からイメージを膨らませて書いたりすることが増えてきましたね。ラブソングを書き続ける中で、恋愛観って人それぞれにあるから、自分だけの視点に縛られすぎたくないなって思うようになってきて。
あとは、アレンジャー(楽曲を仕上げたり、編集したりする人)さんが入ってくれてから音の数も増えて曲が華やかになってきたので、そういう面でも、曲作りの幅を広げてみようという気持ちになったんだと思います。実体験は“生もの”なので無骨なバンドサウンドが合うイメージを持っているんですけど、それとは違った曲も作れるようになったことで表現の幅が広がりました。

── 普段の楽曲制作はどのように進めているんですか?
まずは部屋でギター1本だけ持って、何も考えずに音を鳴らしてみるところから始めます。僕の場合、凝り固まった頭で作った曲ってあんまり良くないことが多いから、瞬間的に出てきた音や言葉を大事にしているんです。
実は、音楽理論とかもあまりわかってないんですよ。でも、理論がわかる人にしか作れない音楽があるように、わからない人にしか出せない良さもあると思ってて。自分の強みだと信じています。
── 曲作りがうまくいかないときはどうしていますか。
何もイメージが浮かばないときは、友人の恋愛話を聞きに行きます。「何でもいいから聞かせて!」とお願いして、話をつまみにお酒を飲んだりして(笑)。例えば、恋人への不満とか、鋭い感情とか、そういう話からイメージを膨らませて曲にすることもあります。
あとは電車とかカフェとか、日常の会話にも耳を澄ましています。周りから聞こえてくる会話が気になったら、もう耳がそっちに傾いちゃって。全部の事情を理解しないまま聞くからこそ、いろんなイメージが広がって面白いんですよ。普段から、何かないかなって日々探していますね。
moon drop初のウエディングソング『みよじ』ができるまで
―― 『みよじ』はmoon dropにとって初めてのウエディングソングです。これまでラブソングを作ってきた中で、ウエディングソングへの挑戦はいかがでしたか?
結婚って、恋愛のひとつの集大成というか、到達地点だと思うんです。僕自身もすごく結婚に憧れがあるし、だからこそ、とても大きなものだと感じていて。ラブソングを歌い続けるバンドとしても、ウエディングソングには「1ミリも手を抜けない」という気持ちがずっとありました。今まで何曲か作ったことはあるんですけど、「もっといい曲ができるんじゃないか」と思ってなかなかリリースには踏み込めなかったんですよね。
『みよじ』をリリースできたのは、幼なじみの結婚式に招待されたことが大きなきっかけでした。ただ、その披露宴の時間がちょうどライブと重なってしまって、どうしようと悩んだ末に、「歌を贈ろう」と思ったんです。幼なじみに奥さんとの出会いやこれまでのエピソードをいろいろ聞いて、それをもとに曲を作り、披露宴にビデオレターとして届けました。
後日、そのときの映像を見せてもらったら、結婚したふたりや友人たちが涙を流してくれていて。その光景を見たときに、「今なら人にちゃんと届くウエディングソングがかけるかもしれない」と思えたんです。それが『みよじ』という曲につながったと思いますね。
―― 世の中にはさまざまなテーマのウエディングソングがある中で、「苗字(みょうじ)」にフォーカスしたのはなぜですか?

結婚前の恋人同士って、お互いの苗字を借り合って名前で遊んだりするじゃないですか。「そっちの苗字の方がしっくりくるかもね」なんてやり取りが、僕にはふたりが気づかないうちに結婚の準備をしているように見えて。そのシーンがすごく素敵だなと思って、タイトルにも苗字に関連した言葉を入れたいと思ったんです。
あと、僕の地元では方言で「苗字」のことを「みよじ」って言うんですよ。だから初めて「みょうじ」と読むことを知ったときは本当に衝撃で。そのときの純粋な気持ちも取り入れたくて、あえて大きい「よ」で『みよじ』にしました。
―― 『みよじ』の2番の歌詞で、彼女ではなくお母さんが登場するのが印象的でした。
結婚式って、もちろんパートナーに想いを伝える場でもあるけど、僕の感覚ではこれまで歩いてきた道のりの中で、ちゃんと頭に思い浮かぶ人に感謝を伝える場だとも思っているんですね。その中で、僕にとって一番近くにいた大事な人である、親に対する気持ちは絶対に入れたかったので2番に込めました。
―― お母さんが登場するのは台所のシーンですが、すぐにその場面が浮かんだんですか?
あるとき帰省して実家に泊まった翌朝、台所から聞こえてきたトントントンっていうまな板の音がすごく印象に残っていて。今まではすぐそばにあったものなので気にしていなかったんですけど、ふと「このリズムだな」って思ったんですよね。人にはそれぞれのリズムがあって、まな板の音もそうだし、背中をさすられるリズムもそう。そういう温かい記憶が、ウエディングソングには必要だなと思いました。
―― 『みよじ』もいつもと同じようにギター1本持って作り始めたんですか。
そうですね。サビのメロディーは、ギターをバーンって弾いたときに出た最初のメロディーにしました。このメロディーが出た瞬間、「ウエディングソングのサビは絶対これだ」って確信したんです。歌詞も違和感なくメロディーと同時に出てきたので、言葉とメロディーがちゃんと合体しているところも気に入りました。
そして、いつもの曲作りではできあがったメロディーをバンドサウンドで固めてからアレンジャーさんに渡すんですけど、今回は弾き語りの状態のままで渡してみました。いつもとは違うやり方でしたが、アレンジャーさんと事前に話をしたときにお互いのイメージが一致していたので、任せて大丈夫だと思って。結果、最初のアレンジで完璧って思うくらい良いものができあがりました。
―― 曲が完成したときの、メンバーの皆さんの反応はどうでしたか?
アレンジも大絶賛してくれましたし、最初の弾き語りの状態でも「全部これでもいいかも」って言ってくれたのがすごく嬉しかったです。あと、2番の歌詞に親への思いを込めたところが「飛雄也っぽいな」って言われました。メンバーは僕が家族を大好きなのを知っているから(笑)。moon dropらしさが出ているときに「飛雄也っぽい」と言ってもらえるんですが、今回の曲でもそれが表現できてよかったです。
CMソングに決まって「ウエディングにふさわしい曲ができたんだ」と実感
―― ABEMAで配信されるウエディングパークのCMソングに『みよじ』が起用されました。タイアップが決まったときはどんな気持ちでしたか?

ウエディングソングに対してずっと高いハードルを感じていたので、ウエディングパークさんとのタイアップでCMが決まったと聞いたときは、ちゃんと認められた気持ちになってすごく嬉しかったです。そこで初めて「ウエディングソングとしてふさわしい曲ができたんだ」という実感が湧きました。
―― 実際にCMをご覧になって、いかがでしたか?
めっちゃ感動しました。CMの映像も相まって泣きそうになりましたね。改めて「良い曲ができたな」って。メンバーも家族も、すごく喜んでいました。
―― ファンの方々の反応はどうでしたか?
最近、ファンの方から「moon dropがきっかけで知り合った人と結婚しました」っていう声を聞くことが増えてきて。ちょうど『みよじ』を制作しているタイミングでも、ファンの方から「もうすぐ結婚するのでいつかmoon dropにウエディングソングを出してほしいです」とメッセージをもらっていたんです。そのときに、みんな僕らのラブソングをずっと聴いてくれていたからこそ、心のどこかでウエディングソングを待ち望んでいるんじゃないかって思いました。これは「ウエディングソングを出せ」っていうサインなのかもって。
―― すごくタイムリーですね!結婚式で『みよじ』が流れるとしたら、どんな場面が理想ですか?
どんな場面でも合うと思うんですけど、やっぱり「感謝を伝える瞬間」に流してほしいかな。それと、この曲は披露宴で歌ったらすごく映えるんじゃないかなと思うので、歌ってほしい気持ちも強いです。なんなら、僕が歌いに行きたいくらい!。
結婚式は大事な人たちが集まるかけがえのない1日
―― 『みよじ』の制作を通じて、ご自身の結婚観に変化はありましたか?

結婚観については、そんなに変化はなかったかもしれないですね。ずっと今も、憧れのままです。
今までいろいろな結婚式に呼んでもらったんですけど、同じ結婚式ってひとつもないんですよ。毎回新鮮な気持ちだし、とてつもない感動をもらえる。そういうのを積み重ねていくうちに、どんどん憧れに変わっていったのかもしれません。
―― 結婚式で好きなシーンはありますか?
親に感謝の言葉を伝える場面が好きです。どんな結婚式でも泣いてしまいますね。YouTubeで知らない人の結婚式を検索して、泣いちゃうこともあるくらい。
―― 飛雄也さんご自身は、結婚式を挙げたいと思いますか?
絶対に挙げたいです。あんなにあったかい気持ちになれる1日は、他にないと思うので。
今回ウエディングソングを書くにあたって、結婚式というものに真正面から向き合って、やっぱり結婚式って素敵でいいものだなと改めて思いました。結婚式のときのふたりはすごくいい顔をしているから、「僕もこんなふうになりたいな」って。
結婚式に招待される人って、みんな新郎や新婦にとって大事な存在の人じゃないですか。そんな人たちが1日であれだけ集まるのは、結婚式ならではだと思うんです。僕の知らないところでいろんな人たちとの出会いがあって、その一つひとつが大事な出会いなんだなと思うと、すごく素敵ですよね。そして僕もその一員になれたことが喜ばしいし、結婚式を通してその大事な人たちに会えることも、すごい巡り合わせ。だから結婚式って、実はすごいことが行われている1日なんだなと思います。
―― もしご自身が結婚式を挙げるとしたら、どんな式にしたいですか?
にぎやかにしたいです。めちゃくちゃ笑わせてほしいので、友人たちには披露宴の余興をしてほしいですね。そういうのが積み重なって、その日しかない1日ができあがると思うので。もちろん感動の涙を流す瞬間もあると思うんですけど、笑いすぎて泣いちゃうくらい、笑いが絶えない結婚式にしたいですね。
―― 最後に、これから結婚や結婚式を控えているカップルの皆さんへメッセージをお願いします。
まずは、おめでとうございます! お互いのことをわかり合って、思いやりを大事にして、お互いが一番の味方でいてください。どうか、お幸せに。

Wedding Parkの新CMがABEMAにて限定配信中
株式会社ウエディングパークでは、新CM「あなたの幸せを、きかせて。」を制作し、ABEMAにて限定配信をしています。

動画URL:https://youtu.be/I28ouw-cK9g
配信日:2025年6月16日~
配信場所:「ABEMA」番組放送内(恋愛リアリティショー『今日、好きになりました』シリーズなど)
取材・ 文:大井あゆみ
写真:伊藤メイ子
企画編集:ウエディングパーク