デジタル広告にもデザイン経営を。業界で唯一「Google Premier Partner」認定を受け続ける意義とは【わたしたちの「デザイン経営STORY」 #5】

デジタル広告にもデザイン経営を。業界で唯一「Google Premier Partner」認定を受け続ける意義とは【わたしたちの「デザイン経営STORY」 #5】

デザイン経営とは、「デザインの力を、ブランドの構築やイノベーションの創出に活用する経営手法」のこと(特許庁)。
ウエディングパークでは、デザイン経営が目指す「三方良し(売り手・買い手・世間に良し)」から一歩踏み込み、「四方良し(当社・社会・式場・カップルに良し)」の実現を目指しています。

各式場が自社集客できる仕組みを構築できる環境を整えるために、当社のデジタルマーケティング本部ではGoogle 広告に関する豊富な知見とノウハウを持つことを示す Premier Partner に認定。ウエディング業界専門の代理店として唯一認定されています。

Premier Partner は、各国の Google Partners プログラム(Member、Partner、Premier Partner)参加代理店の上位 3% に入っていると認められたパートナーです。
参照:https://partnersdirectory.withgoogle.com/intl/ja/?premier=true

今回はそんな「Google Premier Partner」に焦点を当て、Google 広告をはじめとするデジタル広告の運用支援を行っているデジタルマーケティング本部の大竹淳介さんと山口水緒さんにインタビューを実施。ふたりにPremier Partnerであることの意義やデザイン経営との関連などについて聞きました。


■プロフィール

株式会社ウエディングパーク デジタルマーケティング本部 本部長 大竹 淳介
サイバーエージェントに入社後、広告代理店部門の営業を担当。自分自身の人生にも幸せをもたらした「結婚」に携わるため、2013年、グループ会社だったウエディングパークに異動(2015年に転籍)。「Wedding Park」のディレクターを経て、2017年デジタルマーケティング本部(旧アドテク本部)を立ち上げ、本部長を務める。

株式会社ウエディングパーク デジタルマーケティング本部 マネージャー 山口 水緒
人の人生を支える仕事に就きたい、という想いから銀行に就職。営業を経験したことで、インターネットの力でより多くの人生を効果的にお手伝いしたい、と思うようになり、2020年にウエディングパークへ広告運用コンサルタントとして転職。現在はマネージャーを務める。

式場が自社で集客する仕組みの構築に向け「Google Premier Partner」の認定を

── はじめにデジタルマーケティング本部とGoogleの関係性を教えてください。

大竹:Google提供のサポートプログラムへの参画をきっかけに、2017年に初めてPremier Partnerに認定されました。以降、2022年・2023年を除き、2025年5月現在にいたるまで認定を受け続けています。

2017年の部署立ち上げ時点でGoogleと協業したことによって、デジタル広告の知見を蓄積できました。例えばGoogleとの定期ミーティングで最新のGoogle動向をキャッチアップしたり、Googleからアカウント単位での有効な広告戦略を助言いただいたりと、Googleと協業しなければ得られなかった様々な知見やノウハウを多数得ることができて、それが今にもつながっていますね。

── Premier Partnerを目指した理由は何でしょうか。

山口:自社集客の仕組みを、結婚式場の皆さまと共に創り上げたいと思ったからです。今はデジタル広告のマーケットが拡大しているものの、式場の集客手法は紙媒体への出稿が中心です。一方、自社集客は式場それぞれの個性を発揮しながら効果的にお客様を集められる手法であり、式場にとってもメリットが大きいですよね。そこで当社がPremier Partnerとして効果的なGoogle 広告の運用支援ができれば、式場は紙媒体に過度に頼らずとも自社集客を可能にする仕組みを構築できるのではないかと考えました。

ユニークな市場特性を持つウエディング業界とGoogleの結節点になる

── Premier Partnerであり続けるにあたって大変なことは何ですか。

山口:一つは「最適化スコアの達成」です。Premier Partnerになるためには最低70%の最適化スコアを達成する必要があるのですが、そのためには運用設定の自動化が欠かせません。ただ、「単価が高い」「リピーターがいない」「顧客(カップル)の期待値が高い」などウエディング業界特有の事情を踏まえると、単純に自動化を導入するだけでは十分な広告効果を見込むことはできません。自動化を進めるためには業界に合わせた調整を加える必要があり、その調整作業には一定のリソースを投じる必要がありました。なお、2022年と2023年は認定を逃したのは、ちょうどこの調整フェーズと重なっていたためです。

大竹:「Google 広告の認定資格」も毎年取得が必要です。Premier Partnerの認定を受けるためには最適化スコアだけでなく、アカウントマネージャーの半数以上が認定資格を取得しなければなりません。その条件を満たすために新入社員を中心に業務と並行しながら毎年1〜2か月かけて学習に取り組んでいます。

ちなみに、デジタルマーケティング本部のメンバーは毎年全員が認定資格を取得しています。その方がクライアントにマーケティングパートナーとしての安心感を持っていただけるためです。

── そのような労力をかけてでもPremier Partnerの認定を受け続けることの意義をどのように捉えていますか。

大竹:Googleの最新動向を踏まえた正しいGoogle広告運用手法を、ウエディング業界の特性に合わせた形で式場へ提供できることですね。

現状、業界のデジタル広告運用は最適化されているとは言いがたいのが正直なところ。それは式場のリテラシーの問題ではなく、先ほど申し上げた単価の高さやリピーターの不在など業界の特有の特性が最適化のハードルを高くしているためです。その市場のユニークさゆえに、他業界の手法をそのまま取り入れても、業界では同等の効果が上げられない可能性が高いんです。

だからこそ、当社がウエディング業界唯一のGoogleプレミアパートナーであることで業界とデジタル広告の雄であるGoogleの結節点となり、式場へ効果的なGoogle広告手法の提供ひいては自社集客の仕組み作りのお手伝いができると考えています。こうした時代のニーズを捉えた取り組みは当社にとっても「結婚を、もっと幸せにしよう。」という理念の実現につながるはずです。

「四方良し」の実現のためには有効なデジタル広告運用が必要

── 営業現場ではPremier Partnerであることにどのようなメリットを感じているのでしょうか。

山口:当社からGoogle 広告の運用支援を受けることに対して、安心感を持っていただけるクライアントが多いです。とくにPremier Partnerだからこそ得られる情報をフィードバックしたり、あるいはその情報を活かした運用提案をしたりする場面でお喜びいただけていますね。

── Premier Partnerであることはデザイン経営の実践にどのように寄与しているのでしょうか。

大竹:デザイン経営のベースは「顧客や社会のニーズを捉えること」ですよね。その点、現在はスマホやパソコンで情報収集するのが当たり前の時代である一方、ウエディング業界の集客媒体は紙媒体がメインです。Premier Partnerとして効果的なGoogle 広告の運用支援ができることは、まさしく今の時代に求められていることだと思います。

山口:デザイン経営では「三方良し(売り手・買い手・世間に良し)」を目指していますが、私たちはそこから一歩進めた「当社・社会・式場・カップルに良し」の「四方良し」の考え方を大事にしています。

カルチャーブック「Wedding Park Ship」より

山口:この四方良しを実現するためには、紙媒体を中心した集客手法では十分ではありません。というのも、多くのカップルがスマホやパソコンで式場を探しています。

そのため、もしかしたら予算がなくて雑誌には掲載ができなかった式場こそカップルが求めていた結婚式場だったのに、それに触れることがないまま理想の式場に出会えなかったカップルもいるはずだからです。これはすなわち、式場側としてもターゲットにリーチしづらいことを意味します。さらに競合の出稿も特定の雑誌に集中するため、広告費が高騰しやすいという課題も式場側は抱えています。

こうした課題を乗り越えて四方良しを推進するためには、正しい知識とノウハウを活かした有効なデジタル広告運用が必要です。そういった意味でGoogleプレミアパートナーはデザイン経営にもつながると考えています。

業界特化の体制で、自社集客力を高めたい式場と伴走したい

── 今後デジタルマーケティング本部は、どのような価値をウエディング業界に提供していきたいですか?

大竹:これからも、式場が自社集客の仕組みを構築する伴走支援をしていきたいと考えています。その実現のために、例えば当社ではウエディング業界における各種広告データを可視化するツール「weddima」も提供中です。おそらく一般的な代理店では業界に特化した広告データの測定・算出はしていないはず。この点は業界に特化した当社ならではの価値提供になると思います。

また、生成AIを活用して当社自体の業務を効率化することで、式場と向き合う時間をさらに創出する取り組みも進めています。さまざまな側面から提供できる価値の最大化を図っている最中です。

── 最後にウエディング業界のクライアントに向けてメッセージをお願いします。

山口:当社のデジタルマーケティング本部では、ウエディング業界に特化した広告手法を常にアップデートしていく体制を整えています。そうした体制のもと、変化の激しいデジタル広告の世界においても柔軟に対応できるキャッチアップ力の高いメンバーと共に、業界全体の自社集客力を引き上げていく動きをこれから加速していく方針です。私たちのこうした思いに共感する方々と伴走させていただき、一緒により魅力的な業界をつくっていけたら嬉しいです。

※取材対象者の所属、役職および掲載記事の内容は取材当時のものです

取材:大井 あゆみ/文:加茂 歩
企画編集、写真:ウエディングパーク


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