Wedding-UP DAY
2023.02.08
企業と個人の理想を叶える! 新たな一歩を踏み出すための「リスキリング」とは|「Wedding-UP DAY 2022」session7
2022年12月1日、ハイブリッド型のオンラインカンファレンス「Wedding-UP DAY 2022」が開催。テーマごと7つのセッションに分けられ、業界の枠を超えた計23名の登壇者がこれからのウエディングビジネスについて考え、ともに語り合いました。
近年、企業や個人が新たなスキルを身につける「リスキリング」が話題を集めています。しかし、実践したいと思ってもいまいちやり方が分からない人も多いのではないでしょうか。
session7では、人生を豊かにする「リスキリング」の実践方法や事例を個人軸・企業軸に分けて解説しました。
コロナ禍を機にリスキリングを進める企業が増えた
>写真左から、植山氏、関本氏、西村
session7では、Canva Japan カントリーマネージャーの植山 周志氏がシドニーから生中継で登場。会場にいる株式会社八芳園の関本 敬祐氏、株式会社ウエディングパークの西村 慧とオンライン上で対話する形式ではじまりました。
西村は、リスキリングを「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」だと説明。
リスキリングは個人の意欲や関心のあるスキルについて語られる傾向がありますが、「職業で価値を創出するために必要なスキルも含まれる」と話しました。
また西村は、リスキリングのひとつとしてデジタル技術に関連するスキルがよく挙げられているとも話し、その理由としてコロナ禍をきっかけに急速なデジタル化が行なわれたことを挙げました。
「デジタル化によって仕事の進め方が変化したり、必要な役割が増えたり、新しいスキルを手に入れるべきタイミングがきたり…。そういった背景から、デジタルスキルに関連するようなリスキリングを進める企業が増えている」と西村。
しかし、「海外と比べるとまだまだ日本のリスキリングが進んでいないという現状がある」と指摘し、さらに「この数年で働き方や常識が変化してきたウエディング業界こそ、リスキリングを進めていく必要があると考えている」と言及。そこで、リスキリングに向き合うマインドについて植山氏に話をうかがいました。
Canvaが語る「リスキリングで大切なこと」
植山氏は、無料デザインツール「Canva」で作ったプレゼン資料を出しながら、リスキリングと向き合う「大切なマインド」について話しました。
「リスキリングをする一番の意義は『自分自身の人生をより良くすること』『人生を変えること』。会社のためのスキルアップをしようとはいうものの、本気になるためには“自分の人生を変えるため”に取り組むのが一番大事なんです。
とはいっても、行動に移せない人もいるかと思います。Have to(=やらなきゃ)と思っているから行動に移せないのです。そんな方は、まずは自分のなりたい姿を思い描きましょう」(植山氏)
具体例として「僕はありえないおじさんになりたい!と思っている」と自分の経験を語った、植山氏。そのために「日々仕事や私生活でチャレンジし続けることで、結果も変わってきた」と話しました。
「1日3分からでもいい、どんな自分になりたいか、人生で何をしていきたいかを考え、書き出す。そこから始めましょう。なりたい自分を思い描いて行動すると、あなたのアイデンティティになる。そこからまた行動が生み出されると、結果が生まれるんです」(植山氏)
新たなことを学ぶなら「労力が少なく、かつ、インパクトが大きいところを狙うといい」と、植山氏。「(上図右下のエリアを指しながら)まずはこの部分をやり続けるとスキルアップにつながりやすい上に精神的な筋力も鍛えられるので、次のステップとして労力の大きいところにチャレンジできるようになる」と話しました。
八芳園が実践した「企業軸で行うリスキリング」
session7の後半は、企業軸で行うリスキリングについて、関本氏が話しました。
「これまで我々は八芳園という土地を使って事業を推進していくのが主軸でしたが、コロナ禍で使うことができない・集まることができないとなったときに、『どういう手段で顧客とつながり、向き合うか』について考えるようになり、学ぶ期間として捉えるしかなかったですね。当時は、毎日全社員とZoomをつないで、新しい時代に順応しようという意識
のもと取り組んでいました。
ただ、接客業ですから、この業界でテレワークなど多彩な働き方ができるのかという課題もありました。はじめてのデバイスを使うときのような感覚にも似ていましたね。自分たちの業務を新しく使うデバイスに合わせるか、デバイスに合わせて業務を作り直すのか。それは人も同じで、今の業務形態は自分たちの固定観念であり、働き方や時間は関係ないんじゃないかと。そこから、それぞれの働き方の条件を適材適所で当てはめていくようになりました。」(関本氏)
取り組みを続けていくなかで、「新しい働き方につなげるべく、積極的にデジタル技術について学び、オンライン上での仕事に取り組んだ」と振り返りました。
「コロナ禍で出社ができないぶん、全社員が何ができるのか探してみようと考えました。ツールを通して情報共有をしていたのですが、我々や社長も見られるところで全員が共有しあったので、いい取り組みをしている人がいたら、それをみんなが真似する動きが自然と生まれてきたんです。お子様がいらっしゃる方や、働く時間が限られている方などの取り組み支援も意識しました」(関本氏)
「実はそのなかでチームの数名からCanvaを使いたいと言われて。すぐにやってみよう、と取り入れたんです」と話す関本氏に、植山氏はにっこり。植山氏は「管理職のマインドシフトで企業全体が変わっていったのは素晴らしいと思いました!」と感想を述べました。
企業の風土が挑戦を促す。リスキリングで大切なこと
西村も「管理職がつくる風土が、従業員の皆様に挑戦をしよう・声をあげようと思わせてくれるんだなと感じました」とコメント。関本氏もうなずき「以前は社員が異動したいと手を挙げたくても挙げにくい雰囲気だったのですが、フラットに挑戦したいといえる環境になってきました」とリスキリングの成果を振り返りました。
「働き方や個人のスキルもそうですが、みんな“なりたい自分”が絶対にあるんですよね。理想に近づくためには何が必要なのか? 評価されている人を見ると、必然と取り組むべきことも見えてくると思います」(関本氏)
八芳園の事例を受けて、「そういった宣言をできる組織文化を創っていく経営手腕が素晴らしいです」と植山氏が感想を述べました。
個人の“学びたい”と企業の“学んでほしい”をリンクさせることが重要
個人としての意欲やマインドの醸成がいい循環を生んでくれる、リスキリング。
session7も終盤となり、西村は「個人の“学びたい“と企業の“学んでほしい”がいかにリンクしていくか、お互いの理想をオープンにしていくことが大事」と振り返りました。
関本氏も同意し、「コミュニケーションを密にとっていると、『あの人はああいうことをやりたいんだな』とわかるし、そのための投資にもつながると思います。それは時間もそうですし、チャンスや機会もそう。ミスコミュニケーションをなくすためにも、オープンなコミュニケーションを心がけたいです」と話しました。
最後に、植山氏と関本氏からリスキリングをはじめたい人に向けてメッセージが送られ、全セッションが終了しました。
「ぜひ、なりたい自分を具体的に思い描いていただいて、人生をより素晴らしくしてください。本日はありがとうございました」(植山氏)
「業務をデジタルツールに置き換えたり、今までのやり方から脱したりすることはなかなか勇気がいることだなと思います。我々はたまたまコロナがきっかけになったのですが、ひとつ目のハードルを超えた今、叶えたいことが叶ったり、メンバーがなりたい自分になれたりといった機会につながったと感じております。ぜひこれからも一緒に頑張っていきたいです」(関本氏)