恋愛・結婚
2022.07.22
結婚ってどんなイメージ?同棲から結婚に切り替えるタイミングは?Z世代が見つめる「結婚」座談会
一般的に、1990年代中ごろから2010年代初頭に生まれた世代を指す「Z世代」。生まれた頃からインターネットが当たり前のように存在し、学生時代からスマートフォンやソーシャルメディアに触れているZ世代は、新しいトレンドの中心として注目されています。
SNSを通じてさまざまな価値観に触れてきたことで、多様性を重視していると言われるZ世代は今、結婚や結婚式についてどのように考えているのだろう?
そんな問いをきっかけに、Z世代の学生4名とウエディングパークが、“理想の結婚・結婚式”について考えを深めるワークショップ「わたしたちの結婚式ラボ」を2022年6月に開催しました。
ワークショップ前半では、ウエディングパークの結婚式準備レポートを読みながら結婚式の様子や結婚されたおふたりのこだわりに触れ、結婚式への興味関心を深めました。この記事では、ワークショップ後半に「結婚」についてZ世代が語らった座談会のレポートをお届けします。
「結婚って、どんなイメージ?」
この問いかけから始まった、今回の座談会。遠い未来だと思っている人も、近い未来だと感じる人もいるなかで、自分は結婚についてどう向き合っていきたいのか。今まさに自分の人生を切り拓く一歩目を踏み出しているZ世代には、「結婚」がどのように見えているのでしょうか?
「実際どうしていけばいいんだろう」の戸惑い
── そもそもみなさんは、結婚ってどんなイメージがありますか?
こうき:制度としてのイメージが強くあります。だから結婚のメリットとしては法律で保証されるから、権利として守られるのかなと。デメリットは、結婚していることに義務感が生まれそう。
こうき:大学2年生。京都府出身。
わこ:私も結婚って「縛られるもの」というイメージが強いです。だから結婚をしてあまり時期を置かずに子どもを授かることになったら、考えるべきことが多すぎてしまうのかなって。段階的に少しずつ状況を変えていけたらいいなと思います。
わこ:大学2年生。女子大に通う。さまざまな面から憧れられるロールモデルのような存在になっていけたらと思っている。
しおり:恋人との違いって、私も同じく法律的に認められる点だけが思い浮かびます。そう考えると、結婚する意味が本当にわからなくなってきて。小さい頃は同棲と結婚は全然違うものだと思っていたんですけど、友だちは「私は一生、同棲でいいかも」と話していて、確かにどんなタイミングで同棲から結婚に踏み切るんだろうと気になっています。
しおり:大学2年生。静岡県出身。演出振付家のMIKIKOさんと、中国版『VOGUE』の編集長マーガレット・ザンさんの、仕事への姿勢や作品、ファッションに憧れている。
しほ:私はもし、お互いが愛し合っているのなら、結婚を選んでもいいんじゃないかなと思います。でもそこに、お互いの家族だったり子どもだったりいろいろなことが関わってきたときに、どうしていけばいいんだろうというのは正直わからないです。
就職活動でこれから先10年のキャリアプランを考えるのですが、周りの友だちと話すと、どこかに「結婚」が入っている人が多い。でもあと何年でパートナーを見つけて、みたいに具体的な話になると、いろいろな選択肢があっても実際どうやって選ぶんだろうね、と立ち止まってしまいます。
しほ:大学4年生。憧れの存在は、自分を持ちながらそれぞれの幸せを築いているディズニーのプリンセス。
わこ:あとは、LGBTQの当事者たちが声を上げているのに、未だに同性婚が認められていないのは気になりますね。これだけ多様性って言われているのに、なんでまだ認められていないんだろうって不思議です。
世代を超えて、逆の意見も言いやすい状況をつくるために
── みなさんは結婚についてどんなところから情報を得て、今話してもらったようなことを考えていますか?
こうき:僕は普段テレビを全く見ないので、例えば同性婚の話題でも、ニュースではなくInstagramやTwitterから知ることが多いですかね。
わこ:私は女子大に通っていてジェンダーに関する授業が多いので、結婚の価値観や制度の意味についてディスカッションがあり、大学の同級生が情報発信しています。
授業で結婚や恋愛の優先度について話してみると、恋愛しなくてもいいとか、結婚願望がない人が多いんですよ。いろいろな考え方の人がいるんだなと知れると、自分らしい選択がしやすくなったり、自分のしたい選択を貫きやすくなったりするのかなと思います。
しほ:私はニュースで見るくらいしか情報を入れられていないので、授業で知れるとすごくいいなと思いました。
わこ:でも、一方で思うこともあって。学校の性質上、女性の社会進出に関心が高い学生が多く集まっているため、例えばキャリアウーマンか専業主婦の2択になると、前者への憧れを抱く学生が多くいます。それ自体は素敵なことですが、中にはきっと、専業主婦に憧れている方もいるはず。同じ校風に集まってきた学生だから偏りやすいのかもしれないけれど、個人的には、逆の意見を言いにくくなってしまうのは息苦しいなと思っています。
しおり:私にとって結婚についての知識が増えたのは、新垣結衣さんと星野源さんが出演されていたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』を観たときです。二人が結婚を決めたその後の妊娠や出産など、いろいろな要素がドラマに組み込まれていて印象に残っています。
あとはNHKのトークショー『ねほりんぱほりん』。このようなエンタメで「こういう選択もありじゃん」って取り上げられていたら、観ている人たちも自分とは違う価値観を受け入れやすくなるのかなと思いました。
── エンタメのように世代を問わずに接点を持てる情報があると、共通のコンテンツを見ることで他の人と話しやすくなるし、自分の先入観に気付くきっかけになりそうですね。
こうき:僕は京都府出身で、家族のつながりが強いからか、伝統的な結婚観といえばお互いの家のつながりをつくることだと理解しています。でもそれも、今は変わってきているんじゃないかな。
今の結婚観は、個人と個人がつながることが先に来ているから、子どもと結婚を一緒くたに考える必要もなくなってきていると思うんです。そういう結婚観のギャップが埋まってもっと個人にフォーカスしていけたら、選択肢が広がると思います。
わこ:結婚をするのもしないのも、選択肢の一つになったらいいなと思っていて。何年付き合ったら結婚する、という「一般的」な流れが決まっているんじゃなくて、籍を入れずに事実婚でもいいし、「子どもを産まなきゃ」と考える必要もない。そのカップルに合った選択ができる状態になったらいいなと思います。
正解を求めずに、選択肢を広げていくために
── 最後に、今日みなさんで話してみた感想を聞かせてください。
わこ:結婚や人生設計と聞くと「遠い将来の話」というイメージがあったけれど、こうやって話すことでいろいろな価値観を知れるので、授業やこういうイベントが増えたら話しやすくなるんじゃないかなと思いました。
こうき:考えがごちゃごちゃになっていたけれど、こういう場があるおかげで自分の軸が見えてきていいなと思いました。あとは人それぞれ、生まれ育った環境や考え方が違っていて、自分が経験していないことを知れたのがおもしろかったです。
しおり:普段はあまり結婚について話をする機会がなかったので、来る前は「ちゃんと話せるかな?」と思っていました。でもこうしていろいろなことを考えることで、自分の考えを知れて、学校や年齢、得ている情報が違う人たちのお話を聞けたので、こういう場がもっと広がっていくといいなと思いましたね。
しほ:正解は本当にないんだなと思いました。結婚をする・しない選択だけでなく、同性間のパートナーシップについても知る機会になってよかったです。前半の結婚式について考えるワークショップでも、レポートを読んだことで選択肢が増えたので、これからも自分の中に選択肢を増やしていきたいなと思いました。