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離婚する夫婦としない夫婦、その違いは“3つのポイント”にあった

既婚者の人も、絶賛恋愛中の人も、これからパートナーを探そうとしている人も、「パートナーと幸せな毎日を送ること」は誰しも気になるトピック。今回は、行政書士で『一生幸せなふたりでいるための10のワーク マリッジノート®※1』の著者である湯原玲奈さんに、「離婚する夫婦としない夫婦の違い」について話をお伺いしました!

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一昔前よりも、「バツいち」という言葉が多少の市民権のようなものを得ているはと思いますが、それでもまだ、どこか離婚に対するイメージがあまりよくない日本。結婚しているか・していないか、ということはとてもプライベートなことで、仕事をするうえで「既婚か未婚か」ということにほとんど触れることがない海外(主に欧米圏)に比べると、日本では、いまでもどこか「結婚してこそ一人前」というような考え方が潜在的に存在しています。

私は仕事上、外資系企業の方のお話を伺ったり、他国のパスポートや結婚証明書を拝見したりする機会が多く、人事部の方に婚姻の事実を確認することもあるのですが、海外では、一緒に仕事をしている人が結婚しているかどうか、子どもがいるかどうか、離婚しているのかどうか、などはほとんど気にしませんし、聞くこともありません。本人が話せばもちろん聞きますが、取り立ててその話題をしないので、一緒に仕事をしていてもパーソナル情報については会社の人事部以外あまり知らない、なんていうことも。パーソナル情報によってその人の人となりを判断しない、という考え方でもあると思いますが、そうなると離婚についても、結構あっさりした考え方を持っていたりします。個の文化であるからか、どんなバックグラウンドがあっても人は人、自分は自分、であり、それを創るのはなにも「結婚してこそ」ではないからという考えなのかもしれません。

日本でも離婚について多少はオープンになっているとはいえ、未だにマイナスイメージのある「離婚」。その原因は恐らく、離婚の方向性がマイナスイメージを持つからだと考えています。

日本の離婚へのイメージはなぜ重い?

離婚とは、結婚していた男女が約束していたことをやめること、とも言いかえられます。日常生活でも色々な約束が結ばれたりやめたりされていますが、結婚しているという約束をやめる、ということについてはなぜか重たいイメージを持ってしまいます。背負っているものが大きいからに他ならないと思いますが、それだけではないようです。

日本の離婚へのイメージが重い理由は、大きくわけると3つあると思います。

1. 双方が経済的もしくは日常生活的に自立していないケースが多いこと
2. 愛情が憎しみに変わる人が多いこと
3. 共同親権という考え方がないこと

一つ目は、女性は経済的に、男性は日常生活的に自立していない場合、離婚はリスクととらえられるからです。少しずつ改善されてきているとはいえ、まだまだ女性が社会で活躍しにくい国であること、男性が家事・育児を担う時間が圧倒的に少なすぎること、つまり、特に男性が、日常的に自分のことを自分でするという教育を受けて来ていないことから、日本にはそういうパターンがとても多いと感じます。

二つ目は、「好きな人と幸せになる」という素敵な想いが「この人なら私を幸せにしてくれる」という期待になると、現実の結婚生活で「思っていたような生活じゃなかった」という失望に変わるという点。自分の期待通りにしてくれないことへの失望が大きいのは、結婚に対しての依存度の高さを表しているのではないかと考えます。「こうしてくれるはず、わかってくれているはず」という期待を裏切られることによって、自分がないがしろにされた気がしてとても不幸に感じられるので、愛情が憎しみに変わってしまう人がいるのだと思います。

三つ目は、子どもの責任に対する意識。結婚している間は協力体制があっても、日本では離婚すると法律上はどちらか一方しか親権が取れません。離婚しても子どもは子ども、だから子どもが大きくなるまではたとえ離婚して離れてもふたりで力を合わせて育てていきましょう、という考え方がとりにくい。ましてや、「二度と会いたくもない」と思って離婚する人が多いので、親権が共同でできる土台ができにくいのです。

「いい夫婦」に共通する3点とは

他人と生活を共にするのは、本当に大変なこと。持っている常識や価値観が違うなんて当たり前に起こるので、結婚して夫婦になったふたりが、これから先長い年月を共に過ごし、家族を作るっていくのは並大抵のことではありません。でも、その人といると心地よかったり、好きだな、と思うところがあったりするから、時には喧嘩もしながらちょっとずつお互いを理解して歩み寄って、ふたりの間の「居心地のよいポイント」を探していくのが結婚生活です。ふたりの間の気持ちの温度差が大きいと居心地が悪くなるので、相手との距離を敏感に気にしながら居心地の良い毎日をつくっていければ、どんなカップルでも「いい夫婦」になれるのです。

ではそんな「いい夫婦」って具体的にどんな夫婦でしょうか。毎日ラブラブでスキンシップが沢山ある夫婦?どんな時もいつも一緒にいて楽しそうな夫婦?100人いれば100通り、いろんな形があっていいと思いますが、長い年月夫婦をやってみると、恋人同士のようなラブラブ・ドキドキ感なんてなくても、その代わりにふたりの間に不思議な空気が流れているのがいい夫婦なんじゃないかと思うのです。そんな夫婦に共通している点をいくつか挙げてみましょう。

1. 相手に過度な期待はせず、信頼関係がある
2. 喧嘩に白黒をつけないためのルールがある
3. 会話をしていて心地いい関係をつくっている

長くいい夫婦関係を築いているふたりには、必ずこの三つが当てはまるのではないかと感じています。離婚する夫婦・しない夫婦、という観点から見ても、この三つを実践している夫婦には離婚をする理由がないはずです。もし、仮にそれでも離婚する理由があったとしたら、そのふたりは前述のような「重い離婚」をすることはなく、「私達はこれから見る未来が違ってきたみたいだから離婚はするけど、子どものことでは変わらず協力していこうね」とさわやかに離婚していきます。

共に未来を見たい人と一緒に人生を創っていく

結婚は人生の一大イベントで一大決心であることは今も昔も変わらないですよね。でも、結婚が「家を守る」という社会的な考え方ではなく、「自分の人生をどう創っていくか」の一つの選択肢だとすると、自分の個性を生かし、共に未来を見たい人と一緒に人生を創っていく、という考え方は素敵だなと心から感じています。寄りかかりすぎることなく、自分の人生を相手の人生と重ね合わせて編み上げていく。たまにほつれたら直して、また編み直して。二人の人生が編み上がったときがいつになるのかはその夫婦それぞれだと思いますが、せっかく出会った大切なパートナーと、いい時間を一緒につくるために出来ることは沢山あります。しかもやり方も考え方もその夫婦それぞれでいい。

作家の大庭みな子さんの「幸福な結婚というものは、いつでも離婚できる状態にありながら離婚したくない状態である」という言葉は、結婚の本質を表していると思います。結婚も離婚も個人の自由でそれぞれにメリットもデメリットもある。自分と自分の大切にしている人との未来にとってどちらがより心地よく幸せかを考えた時に、お互いにとっての一番いい選択肢を選べる関係が、いい夫婦を創り、たとえ別れることがあっても重くない離婚に繋がると思います。

 

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※1 一生幸せなふたりでいるための10のワーク【マリッジノート(R)】朝日新聞出版

一生幸せなふたりでいるための10のワーク[マリッジノート®]

ウエディング(結婚式)だけじゃなく、マリッジ(結婚)、考えてる?結婚が決まったら"考えておきたい、話しておきたい"ことのすべてを確認できるのが『マリッジノート 』。パートナーとともに自分を見つめ、お互いを認め、その先にある「お金・実家・時間」という3大テーマについて考えるための実践的コミュニケーションツール。朝日新聞出版より発売中。

 

<筆者(湯原玲奈)プロフィール>

行政書士/マリッジデザイン株式会社 代表取締役 湯原玲奈

1973年、東京都大田区出身。ニュージーランドでの現地小学校教師生活、米国公認会計士の専門学校での受験ツアー担当、BBC World Japanでの法人営業職を経て、行政書士資格を取得。国際結婚・離婚、外国人の在留ビザ申請を得意とする。2010年、育った地域に恩返しをしようと、区内の士業・専門家と共に一般社団法人おおた助っ人を設立、専門家のための勉強会や、複数の専門家に一度に相談できる「出口の見える無料相談会」を定期的に開催している。また、行政書士として離婚相談を多数受けるなかで、何とかして離婚を回避し夫婦を幸せにしたい!という強い思いを抱くようになり、素敵なカップルになるための新しいコミュニケーションツール「マリッジノート®」を開発。「社会の最小コミュニティである夫婦が幸せになれば必ず日本は幸せになる!」という想いを胸に、「しあわせふうふ10年プロジェクト」と題した活動を展開中。プライベートでは「最強の味方」であるパートナーの夫と、中学3年の娘との三人家族。

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